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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「夕美」 第八話

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泣き顔の雅子は誠一郎の心に今までのいやな思いを払しょくさせ強い愛情を植え付けさせた。
これからは自分も雅子を本当に幸せにする努力を惜しまないと誓っていた。
そんな気持ちが再び雅子を求めるようになっていた。

「あなた・・・さっき終わったばかりなのよ。無理しないで・・・」

「雅子のことをたくさん愛したいんだ。今までの分を取り返したい」

「これからはずっと同じ思いなのよ。私はあなたから離れないし、あなたも離さないでね」

その言葉を言い終えるか否やもう誠一郎は元気な自身を深く雅子の中に収めていた。

誠一郎は次の休みに雅子と晴樹を伴って大森家を訪ねた。前もって用件は電話で伝えてあるから、由美子も隆一郎も歓迎する気持ちで三人を出迎えた。

晴樹の学校の転校手続きを済ませると、晴れて夕美は一番下の弟と同居出来るようになった。まだ残された弟と妹がいるので手放しで喜べないが、とりあえずは自分の目標の一歩を達成出来たことを素直に感謝した。

「お義母様、本当にありがとうございました。お礼の申しあげようがありません」

翌週の休みに実家を訪ねて、夕美は雅子にそう頭を下げた。
作品名:「夕美」 第八話 作家名:てっしゅう