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靴ベラジカ
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novelistID. 55040
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Ungebetenen Gast 招かれざる客

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 「ええー!? ご婦人トリコルヌ行くんすか!? ホントですか!?」
 「本当よー! 可愛いおちびちゃん達にいーっぱいお勉強させてあげるんですもの!!」
 「ホントですかー!! いやーすげえ!! お若いですねもー!!!!」

素朴な酒瓶が何本も転がる、アルコール臭いダイニング。 ここは酒場ではない。
意気投合しすっかり出来あがったアルノー夫人とホルガーは
シードルを数本はひっかけ大いに盛り上がっていた。
厳密には、彼らが飲み干した酒はアップフェルヴァインなる
アベントロート近郊独特のリンゴ酒であるのだが、
大粒な泡とリンゴの香りにコテンパンにやられたホルガーには最早
区別の間違いはおろか、仕事の事もどうでもよくなっていた。
彼はリンゴ狂いであった。

 「うちの息子はお勉強出来なかったもんで、もー大変だったのよー!!
だーかーらー、おちびちゃん達が苦労しないで済むよーに、
いーっぱいお勉強させて、いーっぱーい頭が良い子になって貰うのよー!」
 「かっけー!!! かっけーですよごふじーん!!!!」
アップルパイを肴に、中年の婦人と小柄な青年は
木彫りのジョッキを軽くぶつけ合った。

明日は今日より楽しい事が待っている。
そう信じて疑わずに。