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近代日本愉快伝~駅長吸血鬼

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浦戸 うん。
赤月 浦戸さん。今まで貴方のことが好きでした。付き合って…付き合ってくれませんか?
浦戸 ありがとう。俺、君のお陰で生きていく希望が見えたんだ。色々と迷惑かけるかも知れないけど宜しくな。
赤月 浦戸さん。大好きです。
浦戸 あぁ、俺もだ。さぁ、早く結婚式を挙げよう。時間は、光陰矢の如しだ。
赤月 はい。でもまだ、交際もしていないんじゃ…
浦戸 今まで一緒に居てくれていたじゃないか。片想いだと思っていたかもしれないが、実は俺も前からお前のことが好きだった。
赤月 えっ!浦戸さん。全然そんな気がしなかったけど。
浦戸 俺は迷っていたんだ。でも、このまま一緒に居たら、お前に迷惑をかけると思って素っない態度をとったんだ。
赤月 そうだったんですか。
浦戸 赤月。許してくれ、俺は方向を見誤ったのだ。このまま方向を見誤らなければ、違う日々を遅れたのに。ごめんな。俺が愚図なばかりで。
赤月 いや、そんなことはないですよ。
勝倉 良かったな。浦戸。愛してくれる彼女ができてよ。
浦戸 あぁ。本当に良かった。俺は幸せだよ。本当、一本の点滴の針で人生が狂わされ、また点滴の針によって、縁が出来て結婚するんだからな。憎むべきか、喜ぶべきか。
勝倉 もう日が暮れてきたな。そろそろ帰りたいんだが。君達、家はあるかい?
浦戸 あぁ。もうそんな時間か。大分話をしていたな。というか、俺が工事に時間を費やしすぎたか。住む場所か。無いな。長いこと病室の白い天井見て生活していたからな。
勝倉 結構、辛い生活を送っていたんだな。なら、泊まっていくがええ。俺の家は旅館をやっていてな。病室よりは、快適だと思うけどな。 
浦戸 おお。有りがたいな。よし泊まらせていただこう。宿代はどうすれば良い?
勝倉 宿代は、先輩のご指導で問題ないですよ。
浦戸 いくらなんでもそれは申し訳ない。ならば、シークレットライブを宿内で披露いたしましょう。そのギャラで泊めてください。
勝倉 いや、申し訳ない。ドラークルの曲を披露することになれば、商売繁盛間違いないですね。
浦戸 今時、大手ホテルチェーンが軒を連ねているが、個人旅館にしか出来ないものも有るのよ。
勝倉 そうですね!個人旅館ナメんなよ。
浦戸 チェーン店は並一通りだ。個人旅館はやんごとなき際なんだよ。
勝倉 その通りだ。個人旅館はだな。ホテルで揉めることも比較的即決になるからな。機転は利くし、直ぐにまけることもできるし。
浦戸 おい、テメェ、苗字が勝倉のくせに宿代まけんのか?
勝倉 そりゃあ、ただで泊まらせるよりはマシでしょうよ。百円くらいなんて問題ないですよ。
浦戸 よく思うんだが、どの値段が適正価格か分からない時代だよな。
勝倉 まぁ、そこは企業秘密ということで。
浦戸 そりゃあそうだよな。よし、勝倉よ。泊まらせてもらうぞ。で何処に在るんだその旅館は。
勝倉 秘密ですよ。
赤月 もしかして、やましいホテルなの?
勝倉 そんなことねぇよ。ただ、驚かすだけだい!じゃあ、移動しますか。
浦戸 よし、勝倉、赤ずきん。覚悟は良いか?では、参ろう。3、2、1。夜行列車ドラキュラ号発車。