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33粒のやまぶどう  (短編物語集)

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 映し出された映像の中のこんな字幕を読んだキャップテン、「何が宿ったんだよ?」とさっぱりわからない。というのも、この星人たちの命は生命工場で誕生するからだ。

 その上、「ラキアーのヤツ、ヤケに慌てて……、さっ、帰ろうって? チキューの生物は赤や黄の火花を見たら、いつもすぐに帰ろうって言うんだから。ラキアーは郷に入っては郷に従い過ぎて、ホント摩訶不思議な生物に劣化してしまったのか」
 キャプテンは肩を落とし、ラキアーをもうチキューに残留させるしかないと判断した。
「ラキアーよ、これからも火花を見ては、さっ、早く帰ろうと言って、チキューのメスとともに幸せに生きて行けよ」
 キャプテンはこう言い残し、時空を貫き去って行った。

 そして、その後の夜空には、UFOを見送るように、いくつもの大きな火花、いや、花火の輪が――色とりどりに、これでもかこれでもかと眩しく花開くのだった。