33粒のやまぶどう (短編物語集)
しかれども、名古屋駅の新幹線プラットホーム、そこは男と女の交差点。
語り尽くせない愛のジャーニーの途中に、男と女はのぞみに乗ってやってきて、それぞれの思いを抱いて、再び東西へと去って行く。
そして今日もまた……、
真っ赤なマニキュアの、いかにも派手な女が向かいのホームの男を憎しみの目で見つめている。それから拳を握り締め、西へと旅立って行った。
一体何があったのだろうか?
いやはや……。
いずれにしても、名古屋駅の新幹線プラットホームは男と女の交差点。
そこから先は、そのまま同じ道をまっすぐ進むか?
それとも右折、あるいはUターンするか?
いろいろな選択があることに間違いはないのだ。
作品名:33粒のやまぶどう (短編物語集) 作家名:鮎風 遊