33粒のやまぶどう (短編物語集)
耕介(こうすけ)は家業を継いで欲しいという父の願いを振り切り、10年前都会で働き始めた。しかし、現実はそう甘いものではなかった。それでも朝から晩までこま鼠のように頑張ってきた。その原動力は父に対する男の意地だったのかも知れない。
そして最近のことだ、母が電話で、父が病に伏せたという。さらに、そろそろ初孫の顔を見せてくれないかと漏らした。
今の暮らしでは、結婚なんてほど遠い。しかし、母の言葉はやはり重い。
一体俺は、未来に向かって何をしたら良いのだろうか?
作品名:33粒のやまぶどう (短編物語集) 作家名:鮎風 遊