「夕美」 第五話
年の瀬が近づいていたある日、夕美は俊之にお正月の休みを聞き出した。
初めてのことだから来年は一日と二日だけ休んで三日からは家にいてほしいと返答された。
その日の夕暮に雅子に電話をかけて一日の日は泊まらせてほしいと願い出た。
気の抜けるほど簡単に「構わないよ。私は居ないから」とそう言われた。毎年雅子は大晦日から実家に帰って三日の日に戻ってくることを繰り返していた。子供が小さい頃は、雅子について帰省していたが、今は一人で帰っている。
年が明けて平成三年元旦、夕美は大沢家に帰ってきた。出迎えたのは義父の誠一郎だけだった。
「夕美、お帰り。おれと晴樹以外誰もいないから遠慮するな。早く上がれ!」
「お姉ちゃん!お帰り」
「晴樹、ただいま・・・いや、明けましておめでとう!お義父様も遅れました。おめでとうございます」
「そうだったな。おめでとう。疲れただろう、ゆっくりとして行けよ」
「はい、そうさせてもらいます。そうそうですがお願いがあります。弟と妹たちを呼んできて今日一日ここで集まっても構いませんか?」
「それはいい考えだよ。ぜひそうなさい。私が車で迎えに行ってあげよう。それが手っ取り早いだろう」
「本当ですか?すごくうれしいです」
初めてのことだから来年は一日と二日だけ休んで三日からは家にいてほしいと返答された。
その日の夕暮に雅子に電話をかけて一日の日は泊まらせてほしいと願い出た。
気の抜けるほど簡単に「構わないよ。私は居ないから」とそう言われた。毎年雅子は大晦日から実家に帰って三日の日に戻ってくることを繰り返していた。子供が小さい頃は、雅子について帰省していたが、今は一人で帰っている。
年が明けて平成三年元旦、夕美は大沢家に帰ってきた。出迎えたのは義父の誠一郎だけだった。
「夕美、お帰り。おれと晴樹以外誰もいないから遠慮するな。早く上がれ!」
「お姉ちゃん!お帰り」
「晴樹、ただいま・・・いや、明けましておめでとう!お義父様も遅れました。おめでとうございます」
「そうだったな。おめでとう。疲れただろう、ゆっくりとして行けよ」
「はい、そうさせてもらいます。そうそうですがお願いがあります。弟と妹たちを呼んできて今日一日ここで集まっても構いませんか?」
「それはいい考えだよ。ぜひそうなさい。私が車で迎えに行ってあげよう。それが手っ取り早いだろう」
「本当ですか?すごくうれしいです」