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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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お母さんもついに…。

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『言いません!!今もこの先もあなたのせいで止めたなんて言いません!!お母さんがそう決めて止めたの!!分かった?!でも、お母さんはあなたと違って神様はいるって信じてるから!!』
とお母さんが言うと上(神様)が出て来た。
『お母さん、上が、“とうとう止めたのですね。お母さんがそう決めたのなら良いと思いますよ。ただ、止めると決めたからと言って、相手に…喧嘩腰とまでは言いませんが、挑発的になるのはどうかなぁ~と…見ていて思いましたが…。”って言ってるよ。』
と私は伝えると、お母さんから“あっ。”と漏れて、
『そうそう。ついついね…。あなたのことサタンだって言うもんだから、お母さん何回も頭に来て…それでこれが最後だから言いたいこと言ってやろうと思って…。はぁ~、また見られてた…。』
と落ち込みながらそう言った。
『上が、“それも分かってましたよ。しかしですね、宗教に洗脳されている人にそれは間違ってますよと言うのは、なかなか難しいところがありますよ。どちらも神を信じているにも関わらずケンカをするのはおかしいと思いませんか?私ならそうですかと言って譲ります。わざわざケンカをする必要はないと思うので…。でもお母さんが我慢ならずに言いたかった気持ちも分からないわけではないので、そこはそこで理解してますよ。”だって。合ってるの?!』
と私は聞いた。
お母さんは変わらず落ち込んだまま、
『合ってる、合ってる。勉強を止めてスッキリしたはずなのに、どうしてだろうこのどっと来る何かは…。』
『上が、“あらまっ!!お母さん、勉強を止めたこと賢明だと思いますよ。よく止められました。止めるのも怖いですからね。恐怖を与えて止められないようにしますからね。神がそうすると思われては何とも言いようがないです。でも私はそんなことしません。よく止められました!!…偉いっ…とまでは言えませんが…。”だって。』
と言うとお母さんが大きな声で笑い出した。
『偉いっ…とまでは言えません…か~。いいねぇ~。こんな風に笑えなかったなぁ~、この宗教。』
『上が、“ではこれから思いっ切り笑えますね!!”だって。』
『はい、思いっ切り笑います!!』
と言って、お母さんは楽しく勉強を止めた日となった。

そしてお母さんが勉強を止めて三年ほど経った。
そんなある日お母さんに電話がかかってきたと言う。
それはお母さんの同級生で、神を証すものになって四十年ほどその宗教をしている人からだった。
“ことちゃん(仮名;お母さん)の娘さんがサタンと話してるって噂になってて、その噂を流してるのは福本さん(仮名;最初に勉強を教えてくれた人)で、福本さんの会館と隣の市の会館まで噂になってるみたい。ことちゃんもサタン扱いされてるから、そっちの会館ではもう勉強に戻るのは戻りにくいと思うから、こっちまで来ればまだその噂は広がってないからこっちなら大丈夫よ。大きな大会ももうすぐあるから、戻って来て欲しい。”
とのことだとお母さんから電話がかかった。
私は何とも言いようがなかった…。

私は好きで何かと話しているのだろうか…。
どっかに行ってと言ったところで、
“行きません。一人一人に私は付いているので、離れられません。ただ、たまたまあいちゃん(仮名;私)と話せただけですよ。なのでどっかに行けません。私ってそんなもんよ。悪しからず!!”
と上に言われる。
なのでどうしようもない。
もしどっかに行ったとしても、ただ遠ざかっただけでまた戻ってくる。
神様とはそんなもんらしい…。
そんなことを私が言おうもんなら、
“あいちゃんにだけ。みんなここまで文句言わないよ。私と話してるとか話してないとか関係なく、世の中の人は大概ちゃんとしてるよ。”
と言い返される。
これが神様かは分からない。
こんな状況に何かの宗教は私をサタンと言っている。
本当にサタンなのか見たのかなぁ~と疑問が出る。
そんなことを宗教の人に聞きでもしたら、説明なくサタンと言われてお終いとなるだろう。

そしてお母さんにそんな気持ちを伝えたら、
『別にお母さんはそういうことを思うためにあなたに電話したんじゃなくて、こんな風に今なってることが面白いと思わない?!お母さんアホらしくて、へ~とかふ~んとかあ、そうばっかり言ってた。返す言葉なんて全く出ないの!!話すだけ無駄だなぁって思った。別にサタンって言われてもいいじゃない!!あの人達がサタンを見たわけでもないんだから…。その内間違ったことをしてる人にはそれ相応の罰が当たるって上がいつも言ってるでしょ?!お母さんはそうなると思うの。』
とお母さんはそういう気持ちだったと言った。
私はウソの噂は嫌いだ。
本当の噂ならまだ百歩譲れる。
そういう無駄に真面目なところがあるから私は私自身に振り回される。
『お母さんが何も言い返さなかったらまた電話かかるよ。それでまた、“宗教に戻っておいで~。”って言われるよ。どうしてきっぱり言わないの!!』
と私は言った。
『だから、そんなこと言っても向こうはまた言ってくるの。何を言っても無駄だからアホらしくて、へ~とかしか言葉が出なかったの。何を言っても無駄なのよ~。あなたに話すといろいろ悩むから言うか言わないかいつも悩むのよ~。』
とお母さんは困りながらそう言った。
そんな中上が口を開いた。
『お母さん、上が、“今回の噂についてですが、その元となったのは福本さんだと分かりますね。そこははっきりしているようで…。噂の元がはっきりしているのも珍しいですが…。福本さんはそういうことを蒔いているようですが、どう事実であれ、それを行っている責任は福本さんにあるので、それ相応の何かがいずれ福本さんには返って来るのでしょう。これが良い事をしているのなら良い事が返って来るし、これが悪い事であるなら悪い事が返って来る…ということですね。例えば、福本さんが私を試したように…(タイトル;したことは返ってくる。を参照)。まあ、何が起こるかは黙って見ていましょう。”だって。お母さん、福本さんまた何かあるかもしれないよ…。どうする?!』
『あ~あ。また福本さん…。あ~あ、お母さんは知らないよ~。お母さんは神様試してないから。何が起こるか楽しみにしておこう!!』
『そんな言い方していいの?!』
『お母さんは、神様がいるってみんなに知って欲しくて言ったの。福本さんはどういう気持ちで言ったのかが大事だと思うよ。あなたやお母さんのことを救いたいと思ってみんなに言ってるんなら、その気持ちに対しての何かが返って来るんだからいいじゃないのよ、楽しみにしてたって…。』
とお母さんから平気な声が届いた。

それじゃあ、私もなんとなく楽しみに待ってよ~。