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てっしゅう
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SF小説「AKARI」 第五話

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時間にして数分間の出来事だった。
山口はAKARIのお腹の上に白い液体を放出してことを終えた。
こんなことを楽しみとしてこの時代の男性はするんだとAKARIは学んだ。
しかし、それは単に男性だけが楽しむ行為ではないと、後に知ることとなる。

山口はすぐに深い眠りについた。AKARIはその様子を見て、なんだか気持ちがすうっと落ち着くのを感じていた。未来の自分では経験することがなかったであろう男性との行為に不思議な感覚とは別に特別な感情が存在しているように思えるのだ。
うまく言えないが、それは悪いものではなくむしろ好ましい感情を与えられていた。

翌日早くに目が覚めた山口は隣でまだ眠っているAKARIの体をじっと見た。
それは明るい室内でまぶしいぐらいに美しく、そして艶かしい体であることを印象付けていた。
ベッドから出て、トイレを済ませてから朝食のためにコーヒーを入れた。そしてパンを焼いた。やがて物音に気づいてAKARIは目を覚ました。

「おはようございます。昨日はありがとうございました」

「ああ、おはよう。おれの方こそありがとう」

何も身に着けていないAKARIは明るい室内でその姿が恥ずかしいと感じた。脱がされていたパジャマを羽織り、ベッドから起き上がって山口の居るダイニングへと向かった。

出されたパンとコーヒーを口にして、未来では感じなかった心地よさと、美味しいという感覚を知った。

「山口さん、私たちの時代ではこんな風な食事はしません。必要な栄養は水分と一緒に少し口にするだけです。これはなんという食べ物なんですか?」

「そうなのか。それは味気ないな。これはパンというんだよ。飲み物はコーヒーだよ」

「パン?何から作られているのですか?」

「小麦粉だよ」

「飲み物は何からですか?」

「コーヒー豆を煎ってお湯で出すんだよ。これはインスタントだけどね」

「コーヒー豆?植物なのですか?」

「そうだよ。中南米とかアジア・アフリカで栽培されている植物の実だよ。赤い色してるんだ」

「とてもよい香りで、初めて飲みましたが好きになりそうです。山口さんもお好きなのですか?」

「もちろんだよ。大好きさ。朝はこれを飲まないと始まらない」

「よかった。同じものが好きになれて・・・」

そんな気持ちになれるAKARIは自分が目の前にいる山口に加古としての女性の感情が混じってきていると感じていた。