私の読む「源氏物語」ー52-若菜 下ー3
普通に世間で起こる小さな事柄でも、、大きな事件でも、お互に簡単に批評し合い、季節ごと折々につけて物の情趣や味わいのある事柄をも見逃がさないで話が出来る、男女の関係を通り越した親睦をかわす事のできる人は 、この朧月夜と朝顔の二人だけであったのに、朧月夜も朝顔もさっさと世を捨てて出家してしまい、朝顔は齋院であったのに仏門に入り、修行に励んでいる。私がここの夫人達の行動を聞いたり見たりしていると、あの朝顔斎院のようによく考えて私に反対し、それでいて親しみやすい感じは無くさない、較べものになるだけの人はいないようであるなあ。
作品名:私の読む「源氏物語」ー52-若菜 下ー3 作家名:陽高慈雨