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私の読む「源氏物語」ー35-胡蝶

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 このような源氏と玉鬘の間であることは、源氏が玉鬘に体を迫ったことを知って居る人は少いので、玉鬘とまだそうまで親しくない螢兵部卿宮や鬚黒大将、花散里も、近くにいて玉鬘との接触もある身内の女房、紫上、タ霧も、みな玉鬘が源氏に実の親のように、源氏を思い慕っているのを、源氏は、
「玉鬘との間に私の懸想が激しく体の関係がもう少しの所であった、こんな事情が少しでも世間に漏れたら、みんなの物笑いになり、情けない評判が立つだろうな。それに内大臣が自分の娘であると、玉鬘の素姓が分かった場合でも、父親としてなじみが薄いから、玉鬘の世話は、本当の親のような愛情では出来ないことだろう、。大臣はどこかで自分と玉鬘との風評を聞いて疑わぬでもなかったが、玉鬘の口から「風評は真実であった」と聞けば、「やっぱりそうであったのか」と、それを待っていた様に自分が、大層、思慮が足らなく、軽率であると、思うことであろう」
 と、源氏は玉鬘との間のことをいろいろと心配し悩むのであった。
 蛍宮、鬚黒大将などは、源氏の考えが、玉鬘の婿として問題がないと言うことを伝え聞き、前以上に熱心に求婚してきた。あの内大臣の息子である柏木も、源氏が自分を玉鬘の婿にと認めていると、なじみの童女のみる子から聞いて、自分の姉になるのも知らないで、ただ一途に嬉しく身を入れて熱心に恋の気持ちを玉鬘に訴えようとして周辺をうろうろと隙を狙っていた。(胡蝶終わり)