小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

あらまぁ~、立たせれていた…。

INDEX|1ページ/3ページ|

次のページ
 
一人聖書を読んでいたら、理解できない文章が出て来た。
“モーセに天幕を”とある。
私は分からないので、お母さんに電話をして聞いた。

電話にお母さんが出ると、いつものように私が話すより先に上(神様)が口を開いた。
『“今日は…朝早く起きれたようで…何よりですね、お母さん。”って言ってるよ。』
と伝えたら、
『そうなの、そうなの。今日は気持ちよくスパッと目が覚めたの!!だから今も気持ちいい~。』
と言った。
私はそんなことどうでもいいので本題に入った。
『お母さん、聖書に、“モーセに天幕を”ってあるけど、どういう意味?!』
と私は聞いた。
お母さんは唐突に自分の気持を折られたからか、
『はっ?!』
と言って終わった。
それでも私はそんなことはどうでもいいので、
『だーかーらー、“モーセに天幕を”ってどういう意味?!誰かがそう神に頼んでるシーンなんだけど、モーセってこの時死んでから千年とか二千年とかくらい経ってると思うんだけど、意味が分からなくて…。』
とお母さんの気持ちを遮ってそう言った。
状況をつかめないのか、状況に順応してないのかお母さんから言葉が聞こえない。
数秒待っても何も言わないので、
『もしもし?!』
と言ったら、
『はい、もしもし。聞こえてます。』
と態度を一変してそう言った。
『聞こえてるなら何か言って!!黙ってたら分からない!!』
『別に、黙ってないよ。ただ喋らなかっただけ~。』
と意味不明な回答をして来た。
『何その言い方?!腹立つわぁ~。兎に角、“モーセに天幕”の意味を教えて!!』
とイラッとしたまんま私は言った。
『分かりません。』
とお母さんは一言…。
呆れた私は、
『はっ?!もっと考えるとかあるでしょ!!何その言い方。』
と言い返した。
『はい、分かりました。聖書の何処に書いてあるか教えて。』
とお母さんは言うので、私はその部分を教えた。
お母さんは黙って読んでいた。
私はしばらく鼻歌混じりで待った。

そして読み終わったお母さんが、
『読んだことはあるけど、全体を通して読んでみたら、今まで宗教の人から聞いてた話と全然違う。上が出て来て、お母さんも見え方が変わったのかなぁ?!…確かに書いてあるね。もう昔に死んでるはずのモーセにどうしてこんなこと言ったんだろう…?!』
とお母さんも同じ意見を持ったようだ。
『お母さんが、分からないならこっちはもっと分からないよ。何か聞いてないの?!』
と私は言った。
お母さんが考えながら、
『モーセについてはねぇ、“モーセのようになってはいけません。”とは言われてるんだけど、“モーセは素晴らしい人。モーセはとても凄い。”とも教えられてる。』
と言った。
私は全く意味が分からなかった。
『で、何が言いたいの?!モーセは何?!良いの悪いのどっち?!』
『んっ?!どうして?!』
とお母さんは言った。
矛盾にやっと気付いたと思えば、こんな風に気付かない。
『どうしてじゃないよ。こんな人になっちゃいけないって言いながらその人のことを良い人って言うんなら、なっちゃいけなくないってこと。』
と私は説明した。
でもお母さんは分かってなくて、
『あなたが何言ってるのか分からない…。もう一回言って。』
と言う始末…。
『だから、モーセを褒めてるくせにけなしてることがおかしいの!!その人を褒めるんなら、その人のようになりましょうって言う方が筋が通る。』
『…言ってる意味が分からない…。』
とお母さんは言った。
これだから、宗教の洗脳って怖いんだよ…。
『じゃあ、他で例えるよ。宗教の人たちは、“キリストのようでなければいけませんね。”って言うでしょ。キリストを褒めてるのに、“キリストのようになってはいけませんね。”とは言わないでしょ?!』
『うん、…言わない…。』
『ってことは、モーセの話もキリストの話と同じオチになってないとおかしいって言いたいの。何でキリストはよくて、モーセはダメなのかってこと。宗教の人たちは差別をしないはずなのに、モーセを差別してるってこと。もし、差別をしないのなら、モーセを褒めてるんだから、“モーセのようでなければいけませんね。”って言うってこと。分かった?!』
と私は出来る限りの説明をした。
お母さんが私の言った言葉を独り言のように繰り返し、
『…分かった…。本当ね…。あらっ?!でもどうしてモーセのようになってはいけませんって言ってるんだろう…?あらら、どうしてだろう…?』
と気付いたようだけど、今度は個人的に腑に落ちず困り出した。
気付いて頂けてありがたいけど、このように困るのはありがたくない。
宗教の人たちの言い分は一旦置いといて、もう一度文章を理解間違いがないか読み返した。
今分かり得るレベルは変わらなかった。
お母さんに聞いた所で、良い答えが返って来るわけでもなく、文章とにらめっこしていた。

そしてまさかまさかと思った。
『お母さん、お母さん、誰かが見えるよ。どうしよう~。誰かが見える~。』
と私はそういうことだけはお母さんに訴える。
お母さんは、
『えっ?!何?!誰?!』
とまくし立てて来た。
『お母さん、お母さん、…荒野…、荒野に誰か立ってる…。どういうこと?!』
『えっ?!荒野?!何?!どうして荒野?!』
と私の質問にお母さんも質問で返してきた。
『この人は誰?!』
『えっ?!お母さんは見えないんだから、どんな人か説明してよ!!』
と当たり前のセリフが返ってきた。
どうやら私も気が動転してるらしい。
『え~っと…、チビでデブ…のおっさん。あっ、お腹が出てるからデブ。麻みたいな生地の一枚布にベルトっぽい物を巻いてる。後は~、…裸足。これ誰?!』
と私は分かる範囲説明した。
お母さんは余計に混乱し始めて、
『誰?!その人誰?!…宗教の本の挿絵にあったかなぁ~そんな人…。でも、今モーセの話してたんだから、モーセなんじゃないの?!でもチビでデブなんでしょ?!そんな人いたかなぁ~。』
と頭を抱えているような気持ちのセリフが返ってきた。
何をどうしても拉致があかないので、
『チビとかデブはいいよ。それはもういいから、これがモーセとして何でこの人に天幕をって言うことになったの?!』
と私は聞いた。
『天幕…天幕…、天幕っていうことは神から保護されてるってことだから…、どういうことだろう?』
とお母さんは言う。
『千年以上も前に死んだのに何で天幕をってなるわけ?!何でモーセは死んで千年以上経ってるのに神から守ってもらわなきゃいけないの?!』
と私は聞いたもののお母さんは困り果てて、
『分からない、分からない。そんな話初めて聞いたしモーセが荒野に立ってるなんて宗教の人たちは誰も知らないよ。お母さんには分からない。』
と言った。
結局この日は答えが出ないまま終わった。

それから数日ほど、荒野に立たされてる誰かを見ては私は一人答えを探していた。
そして私が聖書を読んでいる時に、ふと上が何かヒントをくれた。
意味は分からず読むのを止めて、伝わってくる気持ちに辿っていった。
“今までモーセが書いてきた聖書を調べてみると良いかもしれません。”
というような感じが伝わった。
なので私はその通りに調べてみた。