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私の読む「源氏物語」-10-

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「平仲の話のように墨なんかをこの上に塗ってはいけませんよ。赤いほうはまだ我慢ができる」
 と、こんなことをしてふざけている二人は若々しく美しい、とても睦まじい兄妹のようであった。
 日がとてもうららかで、もうさっそく一面に霞んで見える、木々の梢などは、花の待ち遠しい、その中でも、梅は蕾みもふくらみ、咲きかかっているのが、特に目につく。階隠のもとの紅梅は、とても早く咲く花なので、もう色づいていた。

 紅の花ぞあやなくうとまるる
 梅の立ち枝はなつかしけれど
(紅の花はわけもなく嫌な感じがする、
梅の立ち枝に咲いた花は慕わしく思われるが)
 いやはや、どうなることか、

 と、源氏は不本意に溜息をつく。
 末摘花、若紫、こんな人たちはそれからどうなったか。 (末摘花終わり)