天国からの脱出
ドラゴン市に入ってすぐ、セブンイレブンがあった。オレはボタンを押そうと思ったが無く、そして自然に開いたので中に入った。―買い物をしますか―の【はい】を押す。ズラズラと並んだ品物の中なら、これからの冒険に必要はものを選んだ。[おにぎり、缶コーラ、チョコレート、絆創膏]を買った。
市の中央へ向かって歩いていると、24時間営業のマンガ喫茶から、たぶんオレより級上の高校生と思われる二人連れが出てきて、目があった。頭の中でモンスター遭遇の場面が現れた。少しぼーっとしていたオレは【戦う・防御・逃げる】の中から【戦う】を選んでしまった。
「んだーオメー、なのかようか」一人が少しろれつの回らないセリフをオレに向けた。
「ここのか、とおか」オレはとっさにそう言って【壊れた傘】をさして身構えた。
「ざけんなー」
おれは見事にモンスターのパンチを受けて尻餅をついた。さらにもう一人の足蹴りをくらい、お行儀悪く道路に寝ることになってしまった。
【防御】を選んだオレに、さらに蹴りが入って、オレのHPはゼロに近くなった。オレは
寝ころんだまま、セブンイレブンの袋からチョコレートを出して、またまたお行儀が悪く寝たまま食べた。HPが回復していく。
「何だこいつ、頭おかしいんじゃない」
「気持ち悪い、帰ろう」
モンスターが引き上げた。オレはゆっくりと起きあがり、つぶやいた。
「まだまだ、鍛えないとダメだな。防具も必要だな」
オレは歩き始めた。道路の少し先に光るのが見えた。近づいて見ると100円玉だった。
ポロロンと頭に音が鳴り《100円手に入れた》と浮かんだ。さらに歩いてビルの入り口が見えたので入った。ドアを見つけしだいボタンを押したが、どこも開かなかった。また外に出て、冒険を続けた。