DEAD AND ALIVE
群衆混迷と冒涜終末の話
「アズモ? クッションを引きちぎる気ですか」
「あのですね、僕は死ぬなら先に死にたいです」
「はい?」
「絶対先がいいです。もう、置いていかれるのは、嫌なんです。あ、でも一緒に死ぬのもいいですね」
「どこかで転びましたか、ハクイの馬鹿ですか、それとも熱でもありまして?」
「正気で本気ですよ?」
「…………」
「……すいません、昨日ちょっと怖い夢見ちゃってそれで」
「心配しましたよ、あなたは笑っていないとどうも落ち着かないから」
「はい!」
「でも、そうですねえ……」
「ミスオさん?」
「どうせ死ぬのならば、同時が最良でしょうね」
そう、はじまりのあなたの傍で。
そう、おわりのあなたの隣で。
作品名:DEAD AND ALIVE 作家名:狂言巡