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DEAD AND ALIVE

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真っ赤な兎と罠で生きる獅子の話



 今日も帰り道は真っ赤だと、少年は少女の隣でぼんやり考える。
 行きも帰り道もこのおかしな少女がいるせいで、人数は少ないのに姦しさはほとんど変わらないなと、少年は昨日と同じ考えにいきつく。要は、どうでもいいのと少女の声を聞き流す暇つぶしでしかないのだ。

「今日は七人死んだねー」
「七日ぶりに少なかったね」
「がっかり?」
「いいや別に」
「冷たいねぇ。昨日サッカーした子もいっちゃったんだよ?」
「嫌いでなければ悲しまなければならないということは、ないだろう」
「そういうもんー? あっ、たっくん、もしたっくんが死んだら僕、後追ってあげてもいいよ?」
「くたばってからも君に絡まれる前提で死ぬのは御免だ」
「えー! あ、じゃあさ、もし僕が死んだら泣いてくれる?」
「後追いしてくれ、じゃないのか」
「それも悪くないんだけどねー、僕は僕のために泣いてるたっくんが見てみたいんだよー」
「馬鹿だね、死んだら見られるわけないだろう」
「見るよ?」
「…………」
「幽霊になってでも、絶対見てやる。……でも」
「何だよ」
「たっくんはバカだね、とか、たった一言しか残してくれないのかな。見切られ僕ちゃん寂しい」
「……いっぺん死んで頭を冷やしてきたまえ」
「絶対泣いてくれるって約束してくれるなら、喜んで死んでくるよ、今すぐにでも!」
「死にたいなら待っていればいい話だ」

 誰か無しで自分は生きていけるし、また誰も自分無しで生きていける。
 誰かのために死なないし、誰かのために死ぬわけにはいかない。
 終わりの終わりを考えてどうする。
 でも。
 それで手に入れられるというならば。
 それを君が望むのならば。
 生きるも死ぬも、惜しくはない。
作品名:DEAD AND ALIVE 作家名:狂言巡