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White Love

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 プロローグ 



そうだ。今日は飲みに行こう。
いつもの白いバーに、行ってみよう。
マスターにあの話を聞いてもらおう。

2時間ほど前、会社の新年会が行われていた。
滞り無く終わりかけていた新年会に、ほっとする間もなく
僕は一通のメッセージをもらった。
”友達として好き。”
大した告白もしていないのに、振られているようなものだ。
僕はそのメッセージを見ると、静かにため息をついて携帯電話を左側のポケットに入れた。
そのまま周りの笑い声とともに僕も笑顔を作り、大して面白くもない上司のバス釣り話(5回目である)に加わった。
終わりかけていた新年会なのにもかかわらず、なかなか終わらなかった。
同僚はもう終わりですかと呑気に上司にごまをすっていた。
僕はそんな事どうでもよかった。
実際、僕の部署にはたくさんの人がいるので、一人いなくなるくらい誰も気づかないし、なにせ僕は新入社員のなかの一人だ。仲のいい同僚疎か友達すらない。
気づくと僕は駅にいて、電車に乗った。彼女の住む場所まで行くつもりで。

彼女とは恋人同士ではない。僕は彼女の事を何にも知らない。1度、彼女の家で関係を持った。それ以外は何にも知らないのである。

そんな事をふと思うと、いつもよりも進みの遅い中央線の電車からおりてしまった。
何駅かも分からずにおりてしまったが、普段の習慣とは恐ろしいもので、そこは三鷹、僕の住む街であった。あの白いバーのある三鷹であった。


作品名:White Love 作家名:荒岸来歩