連載小説「六連星(むつらぼし)」第71話~75話
連載小説「六連星(むつらぼし)」第71話
「美浜原発の、事故記録」
「名前はロマンチックです。
風景も、とびぬけて美しいところです。
しかしこのくるみ浦の集落は、2度にわたって絶滅したという、
哀しい歴史を持っています。
最初の絶滅は、戦国時代から江戸時代の中期にかけてのことです。
一夜にして大津波に襲われ、すべてが絶滅したと記録が残っています。
昭和30年に発行された『西田(にしだ)村誌』に、その詳細が載っています。
『小川(おがわ)の裏の山を越した海岸を血の浦といい、
そこには以前、クルビという村があったが、ある晩、村人が出漁中に
大津波が押し寄せ、神社と寺と民家の一軒だけを残して全滅した。
と記されています。
一軒だけ残ったその家は、後に早瀬(はやせ)へと移住し、
今は大阪に住んでいるそうです。
クルビ村がなくなったとき、日向地区は海、早瀬地区は山をもらい、
小川地区は、ご本尊の延命地蔵菩薩(ぼさつ)をもらった』
と言う古い言い伝えも有ります。
「美浜原発の、事故記録」
「名前はロマンチックです。
風景も、とびぬけて美しいところです。
しかしこのくるみ浦の集落は、2度にわたって絶滅したという、
哀しい歴史を持っています。
最初の絶滅は、戦国時代から江戸時代の中期にかけてのことです。
一夜にして大津波に襲われ、すべてが絶滅したと記録が残っています。
昭和30年に発行された『西田(にしだ)村誌』に、その詳細が載っています。
『小川(おがわ)の裏の山を越した海岸を血の浦といい、
そこには以前、クルビという村があったが、ある晩、村人が出漁中に
大津波が押し寄せ、神社と寺と民家の一軒だけを残して全滅した。
と記されています。
一軒だけ残ったその家は、後に早瀬(はやせ)へと移住し、
今は大阪に住んでいるそうです。
クルビ村がなくなったとき、日向地区は海、早瀬地区は山をもらい、
小川地区は、ご本尊の延命地蔵菩薩(ぼさつ)をもらった』
と言う古い言い伝えも有ります。
作品名:連載小説「六連星(むつらぼし)」第71話~75話 作家名:落合順平