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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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お母さんとの電話。~上は心を見る。~

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『あ~、そういうことか~。あなたの立場って大変ね。確かに複雑になると思うわ~。お母さんだったら、もうそれ以上言わないでくださいっておばちゃんに思うかなぁ~。話を変えたりとか…。だって怖いんでしょ?!』
と言うので、
『怖いよ~。本当に出来ることなら見せたいよ~。』
と私は言った。
『勉強の時に、上は何も言ってくれなかったの?!』
とお母さんに聞かれたので、
『うん。黙ってる。黙ってこっちを凝視してる…。一回も目を逸らさないよ。』
と答えた。
『上はどう思ったのか知りたいね。』
とお母さんが言ったら、上が口を開いた。
『お母さんに聞きますが、お母さんが自分の知らないところでお母さんのことを“あの人は何を言っても許してくれる人だからいいのよ。あの人は何をしても許してくれるのよ。”と言われたらどう思いますか?』
と上が聞いてきた。
お母さんはそれを聞いて何回も肯いて、
『あ~あ~あ~、そういうことかぁ~。そりゃ~、許せない!!どうしてお母さんのいないところでそんなこと言われなきゃいけないの!!勝手に決めつけないで!!って思うわ。』
と答えた。
『そうですよね。私、その気持ちだったんです。世界中でそのようなことを言われています。私がどうして許すと分かるのでしょうか。いつその人たちを私は許したことがあるのでしょうか。私の名を語れば何でも許されるのでしょうか。“私の名を語るだけでは意味はない。”と聖書に書いてありますね。そのような人たちが現れたから、私は聖書にその言葉を書いて頂いたのですね。なのに聖書の言葉を信じていると言いながら、その人たちの行いは、してはいけないと書かれているそのことを行っていますね。』
『なるほど~。確かにそうだわ。でも…どういう意味だろう…。』
とお母さんが言ったので、上はこけそうになって、
『では、お母さんに聞きますが、お母さんのことを誰かが、“ことちゃん(仮名)よ、ことちゃん。ことちゃんはいるんですよ~。”と言っていたらどう思いますか。』
と聞いた。
『…ん~…。まあ、お母さんはいるね…。』
と言ったので上は続けて、
『どうしてそのようなことを聖書に書いたかと言うと、意味のない伝え方をしていたからです。意味のある伝え方をしていたのならまだ良いのですが…。どういうことかと言うと、私の名を語っている人たちの“心”を私は見ていたのですね。心では全く違うことを思っていても、口からは何とでも言葉を出すことが出来ます。だから私は人の言葉を聞いてはいないのですね。その心に思ったこととは違うことを述べているのであれば、私はそのものと話す必要もないということになりますね。なので、名を語るだけでは届かないと私は言いたいのです。お母さんには少し難しかったかもしれませんね。』と説明した。
『はぁ~、そういう意味で聖書にそう書かれてたのね~。やっとお母さん分かった。心を見るか~。なんかそれなら神様がいろいろ出来るのが分かる気がする。そうじゃないと人を裁けないだろうし…。』
『私の名を語るだけではダメですが、その中にも良い心の人ももちろんいますよ。しかし、私を信じているからと言って、それを誰かに信じさせようと押し付けるのは間違っていますね。神についてだけではなく、何でもそうです。好きな食べ物を自分が好きだからと人に押し付けてはいけませんね。あの俳優さんが好きだからと誰かにその“好き”という思いを押し付けてはいけませんね。自分の行いが正しいからと言って、人にその行いを押し付けてはいけないということです。その行いがどうして正しいと思うのかは、その人本人次第ですからね。私が聖書の中で言いたかったのはそういうことなんですね。』
と上は説明してくれた。
お母さんは感動しながら聞いていた。
しかし私は違う。
騙されないように用心している。
そんな私に上は、
『それもあいちゃん(仮名)の決めたことですから良いと思いますよ。それを人に押し付けてはいけないと言うことを私は今言ったのですよ。お母さんはお母さんの考え。あいちゃんはあいちゃんの考え。私は私の考え。キリストはキリストの考え。があるということですね。』
と言いやがった。
もちろんそれもお母さんに伝えた。
『そういうことよ。あなたは我が道を行きなさい!!お母さんは上を信じて付いて行くから~。』
とお母さんはそう言いやがった。
みんな勝手にどうぞ!!と私は思った。
やっぱり上が出てくる。
『はい、勝手にしてますよ。』
と…。
それもお母さんに伝えたら、
『はい、お母さんも勝手にしますよ。』
と冷たく言いやがった。

私としては、この電話は何を話したのかさっぱりだった。