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ササウチさんとシライシくん

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「おいおい、冗談やめてぇや」
「ササウチさんこそ、その胡散臭い関西弁やめて下さいよ。でないと大きな声出させますよ」
「いやーっ、犯されるぅっ」
「そのつもりですけど」
「え!? マジで!?」
「マジです」
「ちょっ……!」

 にっこりと微笑んだシライシの顔が俺に近づいてくる。俺は半身を返して、それを避けた。

「つれないなぁ」
「何言うてんねん、男同士やぞ」
「した事あります? 男同士」
「あるかっ!」
「フェラチオって男の口の方が気持ちいいんですよ?」
「マジで?」
「マジです」
「いや、何してん!」
「実行してさしあげようかと」

 そう言うとシライシは俺のズボンのジッパーに手をかけている。なにしてん! つーか男では無理やって!

「あかんって!」
「なんでですか? 俺の事嫌いですか?」
「いや、嫌いっつーか……」
「ササウチさん、今月営業ノルマ達成できてないですよね? 俺は達成してますけど」
「だからなんやねん」
「助けてあげてもいいですよって言ってるんです」
「その代わりケツ貸せって?」
「はい」
「嫌や」
「つれないなぁ」

 なにがやねん! 心の中で突っ込んで、俺がその場を立ち去ろうとしたその瞬間――
 ダンッという衝撃音と共に、突然後ろから足を思いっきり蹴られた。俺は思わず「ぐっ」というくぐもった声をあげて、前へとつんのめった。
 態勢を立て直そうとした所で、今度は後ろからシライシに両手を抑え込まれた。