機巧仕掛塔ラステアカノンのトルティーネ
血相を変えて走り出していったうっさんを、トルティーネもよろめきながら、思わず追いかけます。
ふたりは春の庭先を駆け抜けました。
風に煽られくたくたになってしまった花壇を三つ抜け、三ツ又に分かれ捩れた幹をした、ブランコの下がった一本の木を横切ります。石畳に変わった地面を踏み越え、レースのカーテンがひらひらとなびくベランダに駆け込み、
そして、
そこにいたのは──────
<みんなで手をつないで、ずっと一緒にいよう>
作品名:機巧仕掛塔ラステアカノンのトルティーネ 作家名:el ma Riu