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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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ズッキーニが喋った…。

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『じゃあ、動物とか植物が知りませんって答えたわけ?!そんなこと知らないでしょ!!分からないのに答えを出さない。』
と何故か一喝された。
どうやって聞けばいいんだそんなこと…と頭を過った。
『そんなこと出来たらいいけど、出来ないから答えは出ないよ。』
と言っていたら、何故だろうか私は閃いた。
『お母さん、お母さん。このまま電話しながらズッキーニに聞いてみる。どうこの考え。』
と私は提案した。
『わ~。そんなこと出来るの~!!でもやってみて、やってみて。』
とお母さんはノリノリになった。

電話を持ったまま、ベランダに行った。
そして意を決したけど、小さな声で、
『みなさ~ん、神様を知ってますか~?』
と聞いてみた。
お母さんは息を殺して静かにしていた。
するとあっちやこっちやに置いてあるプランターの豆やピーマン、ズッキーニ、ニガウリたちから、
『知ってるよ~。』
『知ってるよ~。』
『み~んな知ってるよ~。』
『知らないのは人間だけ。』
『(クスクス、クスクス)』
『な~んにも知らないのはあいちゃんだけ~。』(ズッキーニが言いやがった。)
といろんな声が聞こえてきた。
そのことをお母さんに伝えた。
『本当にそうなんじゃないの。何にも知らないのは人間だけで、人間以外はみ~んな神様がいること知ってるんだよ。』
とお母さんが言うと、お母さんの言葉に反応した豆の苗たちが、
『そうだよ。み~んな神に感謝してるよ。神がいるから生きていられるんだよ。』
と言った。
そしたら、その言葉を聞いた誰かが、
『神様~。神様~。』
と空に向かって声をかけているように感じた。
お母さんには聞こえないみたいだから、通訳しながら伝えた。
『みんな知ってるんだ~。一番偉いのは人間ってなってるようで、一番何も知らないのかもしれないね。お母さんはそんな気がする。なんかそう考えたら恥ずかしいね。人間って何にも分かってないのかもしれない…。でも何か一つ知れたような気がする。人間以外はみんな神様を知ってるってことが分かって良かった。これから生き物に対しての見方が変わって行くような気がする。今まで雑に扱ってた野菜一つ一つにしても感謝しないといけないね。今までももちろん食べ物に感謝して食べてたけど、親から教えられるよりも野菜本人からあんな風に言われた方が心に響くわ~。“知る”とか“理解する”とか言うけど、今までは簡単に言ってたね~。』
とお母さんは半分独り言のように言っていた。
それを聞いていたキリストが、
『お母さん、持ちつ持たれつということですね。』
と言った。
そのことをお母さんに伝えると、
『あ~、そういうことね!!はぁ~、そういうことかぁ~。』
とお母さんが少し変わったようだ。

こんなへんてこりんなことが起こっているのに、お母さんは驚くよりも物の考え方、思い方を改めなおしていたようだった。
口は悪いけど、これもズッキーニのおかげなのかもしれない。
これも感謝なのかなぁ~と私は考えるのだった。

私が驚いてお母さんに助けを求めたのに、なかなか思い通りに行かないものだ。
私は疑問が残ったままでお母さんは納得してスッキリして…。
上手くいかないなぁ~。