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連載小説「六連星(むつらぼし)」第61話~65話

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連載小説「六連星(むつらぼし)」第61話
「29歳の青年の場合」

 「福島第一原発の事故を受けて、管総理がいち早く
 運転停止を要請をしたという静岡の、浜岡原発での出来事ですか?」

 興味をしめした響が、終了動作を施してノ―トパソコンを閉じる。
そんな響の反応ぶりを、山本が目を細めて眺めている。

 「なるほど、岡本さんが言っていた通りです。
 あなたは興味深いものには、とことん食いついていくタイプのようです。
 女にしておくのはもったいないと、岡本さんが言っていました」

 「あら。どういう意味でしょう・・・・」

 「男性まがいの行動力を、たいそう評価していました」

 苦笑した響が、お茶の支度のために立ちあがる。
蛇口をひねり半分ほど水をいれたやかんを、そのままガス台へ乗せる。
数分で沸騰すると、やかんの蓋を取りさらに5分ほど沸騰を続ける。
こうすることで、水道水特有のカルキ臭がとれる。

 さらに味や香り成分と結合しやすい不純物を、不溶化することが出来る。
こうすることでお茶の持っている成分を、バランス良く抽出できるようになる。
水道水に使われる「硬水」を、扱いやすい「軟水」に変えるために、
良くつかわれる手法のひとつだ。