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海野ごはん
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novelistID. 29750
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今夜 君とラブソング

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「秋の夜に君を思い出す」











秋の夜になると 恋バナの一つ二つ 思い出す

なんでだろ?

秋にたくさん恋したわけじゃない

だけど

落ち葉の散歩道や ひんやりした風に

温かい君を求めた僕がいる



秋はだれかれ 

昔のキュンとなったあの時を思い出すんではないでしょうか

そんな季節の風が吹いてます







大学生だったあの頃 よく聞いてた

坂道の上にある彼女のアパートまで

落ち葉を踏みしめながら 腕を組んで送って帰ったあの頃

よく口ずさんでいた


レコードからカセットに録音して 彼女に渡す

彼女も好きな曲を僕に録音して渡してくれた

歌詞の中に気に入った部分があると

自分を映しこんで 言えない告白の代わりだった


彼女が僕に渡す曲は「アリス」だった

「中島みゆき」も多かった

どちらかと言うと暗くて イマイチだった

それでも 何回もよく聞いていた

時間は有り余るほどあり お金はなかったから

よく二人でいろんな曲を聴いた

お互い親元を離れ 一人暮らしだったから

彼女は僕のアパートに 

大家がうるさいのでこっそり忍び込み 泊まったりした

でも頻繁にでなく ごくたまにだった

まだ同棲時代が流行る前だった


ひとつのシングルベッドで毛布に包まって 音楽を聴き

ドキドキしながら「これからなにしよう」と

不埒なことで頭がいっぱいだったりした

やがて自然にキスして 裸になってゆくわけだが・・・


毛布から出た肩が 秋の風でひんやりしたり

朝方の二人の体温があたたかくて気持ちよかったり

あ~季節は秋なんだな。。。と体感していた


昔の思い出は

ところどころ忘れちまったけれど

感覚となって 今思い出せる

曲のフレーズの部分に あの時の景色が浮かんできたり

あの坂道や 大きな木や 古い町並みが甦る

そして 必ず決まって季節は秋。。。。

夏や冬の思い出もあるが

切ない歌を聴くと 季節は秋になっている



あの時の彼女

今はどこで何してるのかな

子供はいるのかな 大きいのかな 結婚してるのかな・・・



結んで繋がっていたあの頃から考えると

二人の糸は切れ 片方の端も見えなくなり

仲が良かったのが嘘のようだ

思い出は二人だけの記憶の中に残り

誰も 腕を組んで歩いて帰ってたことなんて知らない

そして 僕たちの思い出のかけらさえ知ることはない

そう考えると

男と女の関係って いつでも秘密の付き合いなんだね

誰も知らない

二人だけの思い出


ここに書いたことによって 少しばかりの人に

思い出のおすそ分けをしたみたいだ

そして君がおぼろげに みんなのイメージの中に浮かび上がる

よかったね。。。。



消えゆく過去は こうやって時々 秋になると

思い出すことがある

そして また大事にしまっておこう。。。。。。


あの時の君が懐かしい






「君に会うまでは」・・・浜田省吾

https://www.youtube.com/watch?v=YAO9P3NwXcE