結
先の見えない不安はともかく、
現状の。抵抗することすら許されない悪意に満ちた視線や声。
ああ、
じくじくと腐って行くよ。心が精神が病んで闇に塗れて。
運命の赤い糸になんか負けないくらいに。
真っ赤なリボンを互いの手首に巻いた。
ごめんねこんなに愛してしまって。
だけど厭なんだ僕が居なくなった後、
彼が他の誰れかと恋情を交わすなんて厭なんだだから、
静かに微笑んでいる彼の瞳は夜明け前のみずうみの様に深く昏く澄んで凪いで、柔らかくかなしく、僕を映す。
誰れにも見つからないこの湿原に沈んで。
いつしか何も彼もどろどろに溶けるんだふたり混ざり合うんだ。