宗教のおばちゃんとの勉強~キリストの存在 二~
今自分に起こっている状況と同じことが、宗教のおばちゃんたちにも起こっていると思ったので、“霊感”って凄いなぁ~と疑いながらも思っていた。
こんなことが宗教のおばちゃんたちみんなに起こっていると思うと、そりゃ~、聖書を理解出来るはずだわ…!!と関心した。
おばちゃんから前の章では冷たくあしらわれたので、
『こういうことがおばちゃんたちに起こっているんですね!!霊感って凄いですね!!』と私はおばちゃんを褒めに入った。
しかしそれも逆効果で、
『起こっていません。』
とまた冷たくあしらわれた。
私はどう説明したもんかと考えた。
『でもおばちゃんたちは神からの霊感があるんですよね?!その霊感で聖書を理解出来るようになったんですよね?!』
と聞いてみた。
おばちゃんからもそう習っていたので、その言葉をリピートした。
いつもなら喜ぶところなはずなのに、冷たいトーンのまま、
『ええ、私たちには神からの霊感を与えられたので、聖書を理解出来ますよ。私たちは神について証しするものですからね。』
と私と目を合わすことなくそう言った。
おばちゃんのリズムに飲み込まれないようにと私はそのまま元気なテンションで、
『やっぱり霊感があるんですね!!』
と私は変わらず褒めた。
それに対しておばちゃんは一言、
『…霊感って何なんでしょうね…。』
とノートに目を落としたままそう呟いた。
私は耳を疑った。
“私たちは神から導かれてあなたの家へと訪問しました。それが霊感なんですね。”
“聖書を読むには、誰かからの手引がなければ読めません。それが出来るのは、私たちなんですね。それは神からの霊感を与えられているので、聖書を理解することが出来るんですね。私たちも神からの霊感がなければ、聖書を理解することは出来ません。”
と教わっていた。
そう言っていたのに、おばちゃんは自分でそう教えていたのに、こんなにもあっさり覆すなんて…、神様や仏様、キリストに失礼だと思った。
私はそっとキリストを見た。
寂しそうな表情で首を傾げていた。
もちろん手を動かしながら…。
私はなんとも声をかけられなかった。
私が謝るところではないとは思ったけど、軽く頭を下げた。
キリストは寂しそうな表情のまま微笑んでくれた。
そして私はおばちゃんの言葉に驚いたので、
『…おばちゃんたちには…、霊感が…あるんですよね…?!』
と恐る恐る聞いた。
おばちゃんは最初、私の方を見ないまま話し始めた。
『…どうでしょうかね…。他の方にはあるのかもしれませんが、…私に霊感があるのかは…、分かりません。でも、私は神の存在を信じているので、神からの霊感があると信じていますよ。』
と最後はこっちを見て、笑顔でそう答えた。
私はどうしたら良いか分からず困り、肯いただけだった。
そしてそっとまたキリストを見たら、キリストは微笑んで肯いていた。
私には人の思いを汲み取ってあげたり、理解してあげるような器はあんまりないので、おばちゃんの気持ち、キリストの気持ちはよく分からなかった。
私はおばちゃんに、
『分からないのに、神について証しするものとか、霊感がある自分たちが手引となって勉強を教えるといつも言ってますが、おばちゃんは霊感があるか分からないのに、そんなことしてもいんですか?!』
と尋ねた。
するとさっきしんみりしたように見えたおばちゃんが豹変して、
『ええ、いいんですよ。神は心の大きい方なので、許してくれるんです。』
と早口でまくし立てるようにそう言った。
私は、“はぁ~。”と肯いてそれ以上言うのを止めた。
事あるごとに、“神が許してくれる。”という言葉を使って来るから言い返しようがない。
その神とやらは、この場所にいないのだから…。
いない人を話に持ってきたところで、答えなんて出ない。
どうせ言ったところで、堂々巡りとなるのがオチだ。
だから私は諦めた。
霊感については結局答えは出ないまま、勉強に移った。
勉強は手引となる本があって、それを読みながらその部分に適した聖書の部分が書かれている。
予習復習の時に、一応聖書を読んではいたが、理解出来たとしても半分くらいが妥当だろうというところだった。
しかしそれもキリストが現れてからは変わった。
教えてくれるのだから、今までとは違い、どんどん分かってしまう。
ということなので、おばちゃんに、“聖書のこの部分はどういう意味だと思いますか?”と聞かれた時に、答えられるようになるということだ。
たまに自力で聖書の文章を理解できるとおばちゃんはとても褒めてくれる。
この回数が増えるんだなぁと思っていた。
そしてその時がきた。
『ではこの聖句(聖書の中の一節)を読んでください。』
とおばちゃんは言った。
私はいつものように読んだ。
『はい、読むのがとても上手ですね。この聖句はいろんな箇所にたくさん出てくる聖句でもあります。では、どういう意味だと思いますか?』
とさっきの豹変とは打って変わって、おばちゃんは優しくそう聞いてきた。
“私は待ってました~!!”と心がウキウキした。
そしてノートに書いていた文章を読んだ。
『聖句の“求め続けなさい”とは、自分に何が出来るのか自分のすべきことは何かということ。心から思うことが出来なければ与えてはくれないということです。』
と先ず一つ目を答えていたら、おばちゃんの目が輝き始めて私から目を反らさず、
『はい、はい。』
と相づちを打ちながら真剣に聞いてくれた。
私は嬉しくてそのまま続けた。
『“探し続けなさい”とは、与えてくれた力をどう使いこなせば良いのかということ。探し当てられた時に、人はその力を使いこなすことが出来るようになります。“叩き続けなさい”とは、与えられて見いだせたなら…。』
とまではおばちゃんは感動して輝いて聞いていた。
その続きの、
『そうすれば、神に会うことが出来ます。』
と言い終わる前に、私から目を反らし、言い終わったのにおばちゃんは私を無視した。
文章を訳して、合っていたら褒めて、間違っていたら訂正が入る。
だが、どちらでもなかった。
その瞬間めちゃくちゃショックだった。
勉強を始めて以来、こんなにも無視をされたのは初めてだった。
なので私から、
『あの~、合ってますか?』
と聞いた。
おばちゃんはその言葉を無視して、
『では、この部分を私が読むので、その後もう一度訳してください。』
とその箇所を人差し指で叩くように示すとそう言ってきた。
“怖いよ~!!”と心の声で叫んでいた。
どうしておばちゃんは怒ったのか…。
何がおばちゃんをそこまでさせたのか、分からなかった。
そしておばちゃんはその文章を読み始めた。
聖書を読むときは、“ゆっくりと小さな声で。”と言われていた。
読み始めたおばちゃんに私はたまげた!!
猛ダッシュで読んでいるのだ。
“ありえねぇ~!!”
と必死に読んでいるおばちゃんを凝視してしまった。
さっと読み終えたおばちゃんは、今までにない長さの範囲の文章を訳せと言ってきた。
私が、
『ここからですか?!』
と聞いたら、イライラしながら、
『そう言ってますよ。何を聞いてるんですか?早く訳してください。』
とまくし立てるように言ってきた。
こんなことが宗教のおばちゃんたちみんなに起こっていると思うと、そりゃ~、聖書を理解出来るはずだわ…!!と関心した。
おばちゃんから前の章では冷たくあしらわれたので、
『こういうことがおばちゃんたちに起こっているんですね!!霊感って凄いですね!!』と私はおばちゃんを褒めに入った。
しかしそれも逆効果で、
『起こっていません。』
とまた冷たくあしらわれた。
私はどう説明したもんかと考えた。
『でもおばちゃんたちは神からの霊感があるんですよね?!その霊感で聖書を理解出来るようになったんですよね?!』
と聞いてみた。
おばちゃんからもそう習っていたので、その言葉をリピートした。
いつもなら喜ぶところなはずなのに、冷たいトーンのまま、
『ええ、私たちには神からの霊感を与えられたので、聖書を理解出来ますよ。私たちは神について証しするものですからね。』
と私と目を合わすことなくそう言った。
おばちゃんのリズムに飲み込まれないようにと私はそのまま元気なテンションで、
『やっぱり霊感があるんですね!!』
と私は変わらず褒めた。
それに対しておばちゃんは一言、
『…霊感って何なんでしょうね…。』
とノートに目を落としたままそう呟いた。
私は耳を疑った。
“私たちは神から導かれてあなたの家へと訪問しました。それが霊感なんですね。”
“聖書を読むには、誰かからの手引がなければ読めません。それが出来るのは、私たちなんですね。それは神からの霊感を与えられているので、聖書を理解することが出来るんですね。私たちも神からの霊感がなければ、聖書を理解することは出来ません。”
と教わっていた。
そう言っていたのに、おばちゃんは自分でそう教えていたのに、こんなにもあっさり覆すなんて…、神様や仏様、キリストに失礼だと思った。
私はそっとキリストを見た。
寂しそうな表情で首を傾げていた。
もちろん手を動かしながら…。
私はなんとも声をかけられなかった。
私が謝るところではないとは思ったけど、軽く頭を下げた。
キリストは寂しそうな表情のまま微笑んでくれた。
そして私はおばちゃんの言葉に驚いたので、
『…おばちゃんたちには…、霊感が…あるんですよね…?!』
と恐る恐る聞いた。
おばちゃんは最初、私の方を見ないまま話し始めた。
『…どうでしょうかね…。他の方にはあるのかもしれませんが、…私に霊感があるのかは…、分かりません。でも、私は神の存在を信じているので、神からの霊感があると信じていますよ。』
と最後はこっちを見て、笑顔でそう答えた。
私はどうしたら良いか分からず困り、肯いただけだった。
そしてそっとまたキリストを見たら、キリストは微笑んで肯いていた。
私には人の思いを汲み取ってあげたり、理解してあげるような器はあんまりないので、おばちゃんの気持ち、キリストの気持ちはよく分からなかった。
私はおばちゃんに、
『分からないのに、神について証しするものとか、霊感がある自分たちが手引となって勉強を教えるといつも言ってますが、おばちゃんは霊感があるか分からないのに、そんなことしてもいんですか?!』
と尋ねた。
するとさっきしんみりしたように見えたおばちゃんが豹変して、
『ええ、いいんですよ。神は心の大きい方なので、許してくれるんです。』
と早口でまくし立てるようにそう言った。
私は、“はぁ~。”と肯いてそれ以上言うのを止めた。
事あるごとに、“神が許してくれる。”という言葉を使って来るから言い返しようがない。
その神とやらは、この場所にいないのだから…。
いない人を話に持ってきたところで、答えなんて出ない。
どうせ言ったところで、堂々巡りとなるのがオチだ。
だから私は諦めた。
霊感については結局答えは出ないまま、勉強に移った。
勉強は手引となる本があって、それを読みながらその部分に適した聖書の部分が書かれている。
予習復習の時に、一応聖書を読んではいたが、理解出来たとしても半分くらいが妥当だろうというところだった。
しかしそれもキリストが現れてからは変わった。
教えてくれるのだから、今までとは違い、どんどん分かってしまう。
ということなので、おばちゃんに、“聖書のこの部分はどういう意味だと思いますか?”と聞かれた時に、答えられるようになるということだ。
たまに自力で聖書の文章を理解できるとおばちゃんはとても褒めてくれる。
この回数が増えるんだなぁと思っていた。
そしてその時がきた。
『ではこの聖句(聖書の中の一節)を読んでください。』
とおばちゃんは言った。
私はいつものように読んだ。
『はい、読むのがとても上手ですね。この聖句はいろんな箇所にたくさん出てくる聖句でもあります。では、どういう意味だと思いますか?』
とさっきの豹変とは打って変わって、おばちゃんは優しくそう聞いてきた。
“私は待ってました~!!”と心がウキウキした。
そしてノートに書いていた文章を読んだ。
『聖句の“求め続けなさい”とは、自分に何が出来るのか自分のすべきことは何かということ。心から思うことが出来なければ与えてはくれないということです。』
と先ず一つ目を答えていたら、おばちゃんの目が輝き始めて私から目を反らさず、
『はい、はい。』
と相づちを打ちながら真剣に聞いてくれた。
私は嬉しくてそのまま続けた。
『“探し続けなさい”とは、与えてくれた力をどう使いこなせば良いのかということ。探し当てられた時に、人はその力を使いこなすことが出来るようになります。“叩き続けなさい”とは、与えられて見いだせたなら…。』
とまではおばちゃんは感動して輝いて聞いていた。
その続きの、
『そうすれば、神に会うことが出来ます。』
と言い終わる前に、私から目を反らし、言い終わったのにおばちゃんは私を無視した。
文章を訳して、合っていたら褒めて、間違っていたら訂正が入る。
だが、どちらでもなかった。
その瞬間めちゃくちゃショックだった。
勉強を始めて以来、こんなにも無視をされたのは初めてだった。
なので私から、
『あの~、合ってますか?』
と聞いた。
おばちゃんはその言葉を無視して、
『では、この部分を私が読むので、その後もう一度訳してください。』
とその箇所を人差し指で叩くように示すとそう言ってきた。
“怖いよ~!!”と心の声で叫んでいた。
どうしておばちゃんは怒ったのか…。
何がおばちゃんをそこまでさせたのか、分からなかった。
そしておばちゃんはその文章を読み始めた。
聖書を読むときは、“ゆっくりと小さな声で。”と言われていた。
読み始めたおばちゃんに私はたまげた!!
猛ダッシュで読んでいるのだ。
“ありえねぇ~!!”
と必死に読んでいるおばちゃんを凝視してしまった。
さっと読み終えたおばちゃんは、今までにない長さの範囲の文章を訳せと言ってきた。
私が、
『ここからですか?!』
と聞いたら、イライラしながら、
『そう言ってますよ。何を聞いてるんですか?早く訳してください。』
とまくし立てるように言ってきた。
作品名:宗教のおばちゃんとの勉強~キリストの存在 二~ 作家名:きんぎょ日和