最後の孤島 第3話 『煙にまかれて』
「うっ、気持ち悪い」
「なんて嫌な匂いだ!」
駆け寄った人々から、苦痛の声があがる。
どうやら、この場所に漂う、強烈な匂いが原因のようだ。周囲をよく見ると、燃えかけのマリファナタバコが、何本も散らばっていた……。
その途端、とてつもない恐怖心が浮き上がった……。また、ここから早く離れなくてはという危機感も、急浮上した。
私は、人々にも手伝ってもらい、ダニエルを運ぶ。大麻売人の焼死体などを片付けることなど、今はとても無理だ。もしかすると、このまま大木の養分と化すかもしれない。とにかく今は、生者であるダニエルを助けることが先だ。
作品名:最後の孤島 第3話 『煙にまかれて』 作家名:やまさん