小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
月とコンビニ
月とコンビニ
novelistID. 53800
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

宝石の旅人

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 
宝石の旅人

【著】?松田?山田【1周】
○登場人物【自由】
ルディ
レネ
ミティス(女の子)
ホームズ
○ページ数【7ページくらい】


【1】小悪党の二人
 街や国はそれぞれ特定の宝石を入国料としていた。そして、宝石が必要とされない居住区域がある。それらは村と呼ばれ、自給自足に頼らざるをえない生活を強いられている。不足する分は他の村との物々交換が主だったが、どの村も苦しい状態だ。そんな環境に置かれることで村には盗みを生業とする者もいるのだ。

●「レネ」板付き「ルディ」入り。畑仕事をしているレネの元にルディが駆けて来る。
ルディ   おーい! レネ! 見てみろよこれ! ウーキラム鉱石じゃないか!?
レネ   今日はどっから盗んできたんだルディ。
ルディ   間抜けな行商からさ。きっとまだ気づいてないぜ。
レネ   はぁ、ルディ。君も盗みばっかりじゃなく畑仕事もしたらどうなんだい。
ルディ   畑仕事だけじゃ食ってけねぇだろ。この村だっておれの盗みに頼ってるとこあるんだしさ、大目に見ろって。
レネ   それで、ウーキラム鉱石だって? 見せてみなよ。
ルディ   ほら。袋に詰めた宝石の中にそれが二つだけ入ってたんだ。あ、他は部屋に置いてあるから後で選別してみよーぜ。
●ルディが話してる間にレネは鉱石を色んな角度で見る。
レネ   すごいね、本物だ。
ルディ   この宝石があればさ、行けるよな。あそこ。
レネ   雲の国?
ルディ   ああ。だってあの国の入国料はこのウーキラム鉱石だろ。どれだけ貧しくたって宝石さえあればどこにだって行けるんだ!
レネ   行ってどうするの。あそこは娯楽の国だ、お金がなきゃ何も出来やしないさ。
ルディ   遊ぶためじゃねぇよ。
レネ   盗むため? だったら他の宝石もあるんだ、ここから近い国や街の入国料になってる宝石もあるよね。
ルディ   他の国じゃダメだ。国のレベルは宝石の価値によって違うんだぞ。
レネ   言いたいことはわかるよ。雲の国は娯楽の国だ、裕福な奴が多いって言うんだ
よね。
ルディ   俺たち入国料のいらない貧しい村にとって文字通り雲の上の存在さ。
レネ   あの国は常に流れてるんだよ。帰ってこれるの?
ルディ   なんとかする!
レネ   頑固だね。
ルディ   おれは頑固だぞ。
レネ   ……二つあるんだよね。
ルディ   おっ、一緒にいくんだな!
レネ   最初からそのつもりだったんでしょ。ルディ一人じゃ心配だからね。
ルディ   よし! 早速行こう! バレないようにあっちの方で。
レネ   この宝石を空にかざせばいいんだっけ?
ルディ   ああ、迎えが来るはずだ。
●「ルディ」「レネ」ハケ

【2】雲の国
 ルディとレネは雲の国に入る。

●「ルディ」「レネ」入り
ルディ   すっげぇ、眩しいな。
レネ   人ってこんなにいるんだね。ルディはぐれないよう……
ルディ   おっ、あのおっさん金持ってそうだ!
レネ   ちょ、ルディ! はぐれないようにって。
●「ルディ」は人混みに紛れ消える。ハケ。
レネ   あーもうっ! 見失っちゃったじゃんか!
●「レネ」は人混みを移動し
レネ   取り敢えず人混みから出よう。
●「レネ」は人混みを避け狭い道にハケ。ようとする
ミティス   きゃっ
レネ   あっ、ごめんなさいっ。
ミティス   い、いえ、大丈夫です。
レネ   手を。
●「レネ」手を差し出し、起こす。「ミティス」入り
ミティス   ありがとうございます。
レネ   怪我はありませんか?
ミティス   ええ。
レネ   服が、すみません! さっきので破れてしまったようです。
ミティス   え? これは、その、最初からです。
レネ   最初から?
ミティス   あはは。色々ありまして。
●「いたぞ! こっちだ!」という声
ミティス   見つかってしまった!
レネ   追われてるの? こっちに!
●「レネ」は「ミティス」の手を引く
ミティス   この辺りに詳しいのですか?
レネ   さっき来たばかりです!
ミティス   ええっ、そんな頼りない……
レネ   でも逃げることに関しては慣れてます!
ミティス   気をつけてください、武器を持っていますので。
レネ   いったいなんで追われてるんですかっ!
ミティス   お話すると長くなるんですが……。
レネ   じゃ、後で! あの建物に入るよ!
ミティス   えっ、野菜っ
レネ   おじさん! 匿って!
●「レネ」は言葉を聞かず野菜屋に入り込む。
ルディ   うおっレネ!
レネ   ルディ!? なにしてんの!?
ルディ   へへっしくじった! なんかヤベェもん盗んじまったっぽい。
レネ   君も追われてるの?
ルディ   おまえもか?
レネ   おれじゃなくて、この子がね。
ミティス   お知り合いですか?
ルディ   お、おい、レネ……。
レネ   うん、ルディ。友達なんだ。
ミティス   初めましてルディさん。(握手しようとする)
ルディ   この罪にまみれた手で触れてもいいのだろうか!
レネ   どうした。
ルディ   レネ、おれは今、村のためとはいえ盗みをしていたことに後悔している。
ミティス   ルディさん?
レネ   じゃ、代わりにおれが。(握手)
ミティス   そういえばお名前を聞いていませんでした。
レネ     レネだよ。
ミティス   逃げるのを手伝って下さりありがとうございますレネさん。私はミティスです。
レネ     よろしく。
ミティス   ええ、こちらこそ。
レネ     で、さっきの話なんだけど。
ルディ    さっきの?
レネ     ミティスさんが、なぜ追われてるかってハナシ。
ルディ    ああ。
レネ     見たところ上位階層の出身の様だし。
ミティス   はい、レネさんの言われたとおり、私はこの雲の国、第三階層の出で…。
レネ     第三階層!
ルディ    それって、貴族居住区域? すげーな。
レネ     え、待って待って、なおさら分からないよ。なんで貴族の娘がひとりで街中に、というかなんで追われてんの?
ミティス   それは、えっと、お話すると長く…。
ルディ    大丈夫、大丈夫。ま、リリィでも食べな。
●「ルディ」は果物を拝借して「ミティス」に投げる。
ミティス   え、あ、わっ。
レネ     ルディ、君、いまさっき盗みをしたことを後悔してたんじゃ…。
ルディ    それはそれだぜ、レネ。リリィを齧って落ち着くくらい、いいだろ?
レネ     よかないよ、それもう国の為ですらないんだから…。
●「ミティス」が果物をひと口齧る。
ミティス   おいしい…。
ルディ    この顔の為だぜ?
レネ     …。
ルディ    レネも食えって。
●「ルディ」が果物を拝借して「レネ」に投げる。
レネ     …で、なんで追われているの?
ミティス   あ、はい。実は、私、盗みを働いたのです。
レネ     盗み?
ルディ    貴族のお嬢さんが盗みだぜ?
ミティス   …。
レネ     何を盗んだんだい?
ミティス   …、防腐剤を。
作品名:宝石の旅人 作家名:月とコンビニ