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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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なかなか結婚を許してもらえない…。~同棲が始まる~

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そんな両親の元に生まれて、親の離婚から八年ほどしてはとちゃんが妊娠してしまったので、パパとはとちゃんは結婚することとなった。

そして、私の妹となる女の子が生まれた。


それから、私は高校を卒業して実家を出て専門学校へと入学となる。

専門学校は東京なので、神奈川で就職をした四つ上の知り合いに、四年ぶりに連絡をしようと仮卒中の私はふとそんなことを思った。

押入れのクッキーのカンカンの中にメモ書きした連絡先を入れておいたはずだった。
私は探した。
そのカンカンはすぐにあった。
あってもその中に、そのメモがあるかが問題。
“緑色の紙だったはず…。”
と小さなカンカンの中にある友達からの手紙の隙間をガサガサ探した。
そしてそれはあった。

それには、住所と電話番号が書かれていた。
あったとしても、今度はその住所にいるかどうかだ。

私は、どうしてだろうか…、多少震える手で電話番号を押した。

呼び出し音が数回鳴る中、ドキドキしていた。
そしてガチャッと誰かが出た。

相手が何も言わないので、私から、
『もしもし?』
と声をかけた。
すると向こうから男の声で、
『もしもし?』
と聞こえた。
その瞬間、私は、

“あっ、この人と結婚するんだ。”

と感じた。
そしてその男の人が今付き合っている私の初めての彼氏となる。

そしてこの人との結婚をはとちゃんは許してくれることなく、十年以上経つこととなった。

彼氏と付き合い始めて、一年もしない内に彼氏と結婚したいと思うよになった。
彼氏も同じ気持ちだった。

はとちゃんと電話で話している時に、ついでに結婚をしたいという思いを伝えた。
すると、
『一年も付き合ってないのに、何を考えてるの!!』
と言われる始末で、結婚の話を出すにはまだ早かった。

それから私は彼氏と同棲をすると決めると、その決断をはとちゃんに電話して伝えた。
はとちゃんは、
『そんなこと、パパが許してくれないからね。…一応伝えておくけど…。』
とのことだった。
そんなこと察しが付いてたから、パパにではなくはとちゃんに言ったのだ。
パパに話したところで、どんな話をしても話し合いにならないのだ。
だからいつも遠回しから始まり、その後ぐちゃぐちゃとなる。

それからすぐに、はとちゃんから電話があった。
『パパに言ったら、“勝手なことをして…。どうせすぐに生活出来なくなって帰ってくるのがオチだ!!”ってかなり怒ってた。』
とのことだったけど、パパたちの駆け落ちの三ヶ月には勝てる自信はあった。

そして私たちの同棲が始まった。
お金がない中、“親に頼らず、二人で頑張って行こう!!”と決めて、二人の生活を続けていた。
私は中学生の時くらいから、“貧乏暮らし”を夢見ていた。
彼氏との生活が始まって蓋を開けてみると、夢にまで見た生活だったので幸せでたまらなかった。
兎に角、お金というものに苦労をしたかったのだ。
お金の有り難さを身にしみて実感したかったのだ。
その夢が叶い、毎日が充実していた。
私はその時に、初めて、“生活とは何か?”とか“生きて行くとは何か?”を知れたと思う。
なので、パパたちの駆け落ちの期間を余裕で追い越したのだ。

そんな夢をお母さんにだけはずっと伝えていた。

そうこうしていると、お母さんから電話がかかった。
『あなた昔から、“お金のない暮らしをしてみたい。”とか“苦労をしてみたい”とか言ってたけど、実際になってみて大変でしょっ?!もう懲りた?!』
と言ってきた。
私の思いとは真逆の言い分に、“どうしてだ?!”と思った。
なので私は、
『何言ってるの?!夢が叶って毎日楽しいよ。お金の大切さとか有り難みをひしひしと感じてる。夢が叶ってる最中で、ちょー楽しいよ~。』
と言ってやった。
その言葉にお母さんは、
『はぁ~、楽しいの?!へぇ~。…お母さんはあなたがもうそろそろ懲りてるかなぁ~と思ってた。はぁ~、楽しいか~!!…そりゃ~、すんませんでした。』
と驚いていた。

しばらくして、妹が夏休みに入るので、それに合わせて私は実家に帰った。
パパは同棲の話には一切ふれてこない。
なので、結婚の話ははとちゃん経由でパパに伝えてもらおうと思って、家にはとちゃんと二人になった時に私は話を切り出した。

『結婚したいと思ってるんだけど、パパに何て言おうか?』
と私は言った。
はとちゃんがうまいこと話を持って行ってあげると言ってくれるとばかり思っていた。
しかしそれは違った。
はとちゃんの態度は一瞬で豹変して、
『何が結婚か~!!そんなもの許すわけないでしょーっ!!たった一人の男と付き合ったくらいで、何が結婚か~!!』
と言い出した。
私は驚いて、何か勘違いしていると思ったから、
『あっ、私は幸せだよ。今の彼氏で十分幸せと思ってる。』
と伝えたら、余計に拍車がかかったようで、
『な~にが幸せかーーーっ!!あんたが幸せなわけがなーーーいっ!!男とろくに付き合ってもない人間が、何が幸せかーーーっ!!』
と止まらなくなった。
私はどうしたらいいか分からなくなって、はとちゃんの話を理解してあげようという気持ちになり、必死で声をかけた。
『他の男と付き合うの?』
と私は聞いた。
『当たり前じゃ~!!さっきからそう言ってるでしょーっ!!あんたは何を聞いてるの!!世の中に男は一人だけじゃないのーっ!!いろんな男と付き合ってその中で良い人を見つけるの!!あなたは甘いよ。何が結婚か~!!もっといろいろ経験してからそういうことを言いなさい!!』
とこっちが言い返す隙もないほどまくし立てるように、はとちゃんはそう言った。
私は、怒らせまいと落ち着いて、
『その他の男はどうやって見つけるの?』
と聞いた。
やっぱり、何を聞いても拍車をかけるようで、
『そんなもの知ら~ん!!自分で探しなさ~い!!』
と怒鳴られた。
そしてはとちゃんは、また急に態度を変えた。
親身になって、こう言い出した。
『男はみんな浮気をするの。だからあなたの彼氏も浮気をするの。あなた耐えられる?!あなた働いてないんだから捨てられるの。分かる?!あなたはいつか捨てられるの。彼氏にだっていつか良い人が現れるの。それをちゃんと肝に銘じておきなさい。…はとちゃんはあなたのために言ってるの。はとちゃんの気持ちも考えて。』
とさっきまでのはとちゃんとはガラッと変わって、懇願するようにそう言った。
私はそういう心配があるのかということが分かったから、
『彼氏は浮気なんてしないよ。大丈夫。』
と笑顔で答えたら、またはとちゃんの表情が豹変した。
『いーいーやーーーっ!!あんたの彼氏は浮気するの!!絶対に浮気するのーっ!!あんたは絶対に捨てられるのーっ!!男はみんな浮気するんだからねーーーっ!!ちゃんと覚えておきなさーいっ!!彼氏にもこのことをちゃんと伝えておきなさーいっ!!』
と凄い剣幕で言ってきた。
普段のはとちゃんからは想像出来ないほどの威力だったので、マジで怖かった。
そして私は困ってしまい、どうしたらいいか分からず考えていると、はとちゃんが、