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秋月かのん
秋月かのん
novelistID. 50298
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第1章   14話   『生徒会主催 花見大会 前編』

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-ピピピピピッ

う…ぅん…。誰だ、目覚まし時計なんかセットしたのは…。
今日は日曜だろ…ゆっくり寝かせてくれよ…。

-♪~♪~♪

さらには携帯まで鳴り出す始末。

「だぁぁぁッ!わかったから、起きればいいんだろッ!」

俺は、忌々しいくらいに鳴り響く目覚まし時計を止め、続いて同様に鳴り続ける携帯の画面を見る。何だ、茜か…。何の用だ?

「もしもし、俺だけど……」

「おーい、出るの遅いぞ~もしかして…寝てたのか?」

わかっていた口ぶりで朝から快活元気ハツラツボイスを炸裂させる茜。

「当たり前だッ!俺は今日一日『スリーパー』になるつもりだったのによ」

「何だ…それ?まぁ、いいか、ところで、春斗、今何時かわかるか?」

どういうつもりだ?まさか俺に時間を聞くためにだけに電話してきたんじゃないだろうな。
もしそうなら無条件でバトルに突入することであろうさ。睡眠妨害でな。

「何だよ急に……えーと、10時ちょうどだ」

「正解♪んじゃ、とっとと急いで虹ヶ坂公園に来いよ」

「はぁ!?待てよ、何で俺がお前に付き合わないとならんのだ?」

どういうわけか俺に公園まで来るよう言いつけられる結末到来。
一体、茜のヤツ朝から何寝ぼけてんだ。
朝っぱらから変なもんでも食ったのか、または、頭でも打ったのか?

そして、俺のそんな疑問を吹っ飛ばすかのような言葉を茜によって告げられる。

「……。なぁ、春斗、もしかして、忘れてるのか?」

「ん?何をだ?」

「はぁ…まったく、あんたは…。一昨日、みんなで花見するって言っただろ」

「花見…。あぁ、だからかッ!鳴るはずがない目覚まし時計がセットされてたのは」

「…おいおい。昨日、凍弥から連絡きただろう?もしかしてきてなかったのか?」

「いや、ちゃんときたぞ。うん、ちゃんと連絡も聞いたぜ」

俺が風呂から上がったそのすぐ後に、凍弥から連絡がきたんだった。
集合場所は、虹ヶ坂公園。時間は10時半。持ち物は各自自由だったけか。

まぁ、いつもの習慣で休みはとことん寝るべし症候群が俺の脳から身体全体に働いているからな、通りで忘れてるわけだ。…習慣というものは恐ろしいものだ。

…これって普通だよな?

「思い出したようだな。じゃ、準備が出来次第、虹ヶ坂公園に来いよな。じゃあな」

「あぁ、わかった」

「あ!くれぐれも二度寝なんかすんなよ」

「あぁ、大丈夫だ。じゃあな」

はぁ…あぁは言ったが眠いぜ…。
まぁなんにせよ、とにかく今は待ち合わせ場所に行かなきゃならなくなったわけだ。

「にしても花見か…」

なーんか乗る気しないんだよな……。眠いしダルいし。
それにあの後、かえでにネトゲーやらんかって連絡来て、まぁ風呂に入って少し眠気が覚めちまったからちょこっとやるつもりが夜明け近くまでやってたからな……眠い。

だけど、このままボイコットするのも気が引けるし…それにミナもあれだけ楽しみにしてたからな。しょうがない、とりあえず着替えるか。

そう思うと俺は、時間もないので急いで着替えるのだった。





「わぁ~♪ねぇ、お兄ちゃん、ほら、桜の花びらがいっぱい♪」

ひらひらと舞い散る桜の花びらの中、明日香は両手を広げてくるくると回っていた。

「ホントだ~☆あはは♪わーい、花びらつかまえた~」

続いて冬姫もその中に加わり、ふわふわと空中を彷徨う花びらをぱっと掴み取り、何が嬉しいのか明日香と一緒になって飛び跳ねたり笑ったりとはしゃいでいた。

まだ、花見の『は』の字も始まっていないのに凄いはしゃぎぶりだ。
よくこんなはしゃぐ力があるもんだ。花見が始まったら一体どうなるのだろうな。
茜のモーニングコールを受け着替えをものの数秒で済ませた俺は、急いでみんなを連れて、今、こうして虹ヶ坂公園に向かう途中である。

…まぁ、俺とかえで以外はみんな準備完了だったけどな。

「何興奮してんだよ…。これから花見だってのに」

「だからだよ~♪もう昨日の夜は楽しみで興奮して寝られなかったよ~」

「うんうん♪私も~」

「お前らは子供か…」

「あぁ~ひどーい。私、子供じゃないもん。むぅ、むぅ」

「ボクだって子供じゃないもん!お兄ちゃん、ボクを子供扱いしすぎだよ~もう!」

「そういうところが子供なんだよ、お二人さん」

「むぅぅぅぅぅ~」

「ぶぅぅぅぅぅ~」

冬姫と明日香は、フグが腹をふくらませるかの如くプクッと頬をふくらませる。
すると、かえでが気味の悪い笑いをしながら俺に視線を向けてきた。

「ふっふっふ☆まぁ、あたしたち大人には関係ないよネ☆」

「お前が言うか」

かえでは自分の思考パーツをどこかに忘れてきちまったじゃないのか?
いや、途中で外れた…もしかしたら、最初からなかったのかもしれんな。そうに違いない。

「まぁ、確かにかえちゃんだけには言われたくないかも~」

「私も~」

かえでの一言に明日香と冬姫のブーイングの嵐、抗議がかえでに殺到だ。
それはそうだろうな。俺だって嫌だ。

「ひ…ひどい。ねぇ、春斗からも何か助言してよ~」

「スマン…俺にはそんな高度なことは不可能だ。他をあたってくれ」

かえでを助言できる奴がいたら俺に言ってくれ。…後は任せるから。

「み…みんなひどい。まるであたしがダメ人間みたいな言い回しするなんてさ」

おいおい…自分で言っちゃったよ。やっと、お前にも自覚できるようになったのか?
その調子で自分の将来のために初心に帰って自分を見つめ直すのもお前のためになるぞ。

「ほら、馬鹿なこと言ってないでとっとと行くぞ。時間もないんだからよ」

皆さんもそろそろお気づきのことだろう。そう、ミナが俺たちと一緒ではないことに。
昨日、俺が一緒に行こうとミナを誘ったとこ、ミナは向日葵笑顔で、

「申し訳ないのですが、いろいろと荷物も多くなってしまうと思うので明日は車で行こうと思っていたんですよ。だから、私も一緒に行きたいし、ヒナちゃんのお誘いは嬉しいのですがそういうわけなのですいません」

と言っていたのだ。…しかし、花見でそんな大荷物になるのだろうか。
まぁ、ミナは初めてだって言っていたしいろいろと持ってきたいんだろうな。
凄く楽しみにしていたからな。あの笑顔を思い出すだけで微笑ましいくらいだ。

そんなわけでミナとは現地で落ち合うことになったのだった。
そんなことを考えてのたくさ歩いていると、前方に見知った小さな姿、そして、2つのゆさゆさと揺れるツインテールの少女。そう、我らの癒しのエンジェル、まどかちゃん降臨。

「おーい。まどかちゃん」

「え?あ、雛月先輩、それにみなさんも。こんにちはですっ!」

まだ距離があるところで律儀にも可愛らしくぺこりとお辞儀をするまどかちゃん。
…これだ。今の俺はこれを求めていたんだ。今の俺に足りないのはそう癒しだ。
この3人にはこの要素は皆無、大きく不足しているのだ。

まどかちゃんを見習ってバランスよく補給してみても損はないだろうに。
うーん、これは検討の余地がありそうだな。

「もう、ハルちゃんまた変なこと考えてる」