星の行き先
3話 主従関係?
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心臓の鼓動が聴こえなくなった事はつまり、人間ではない何かになってしまったということだ。
しかも、この世界においてのそれは魔物をさす。
キラにとって魔物という存在は両親を奪った憎むべき存在だった。
否、今でも変わることは無いのだろう、しかし、今のキラはそんな人間としての理性を吹っ飛ばすようなある衝動に駆られていた。
「血!!血肉をくれ!!!
頭がどうにかなりそうだ!
血肉をよこせぇぇ!」
そんなキラの発狂寸前の姿をイタズラめいた表情を浮かべ自身の魔法で拘束しながら見つめるものがいた。
彼女の名はバルフレイア・スカーレット、キラがこうなる原因を作った張本人だった。
「イヤじゃ
キラがワシと主従の契りを交わすまではな」
バルフレイアはそういいながら血の通いがもっともよく見れる首すじをかぶりつけと言わんばかりにみせつけた。
「ガァァァァァァ!!」
「オット、危ない危ない」
バルフレイアは危ないとはいってるものの、そんな様子は一切感じられない動きで噛みつこうとするキラの頭をよけた。
「もう諦めたらどうじゃ?
かれこれ三日だぞ?契りを交わしてワシと供にあればいいだけじゃぞ?」
「だ、だから、いやなん、だよ!
だれがぁ、じぶんから魔物にな、るか、、、う、う、う、ァァァァァァ!」
「ふぅ、我が儘なヤツじゃのぉ、まぁ、キラがゆうならワシはほっとくさ、それに吸血鬼は故意的に殺さん限り死なんからな、血が無くても渇きに発狂するだけじゃしな」
発狂しているキラを横目にバルフレイア自分が狩ってきた魔物を美味しそうにたべはじめた。
「まだ、足りんのぉ、また狩りに行ってくるから、おとなしく待っとるんじゃぞ?
まぁ、そんな態勢では何もできんじゃろうがの」
クスクスとそういい放ったバルフレイアは小屋の外へとでていった。
「ハァハァ、血ィィィ!血を血肉を!
、、、分かった!分かったから!契りを結ぶ!結ぶから!血肉をくれ!」
「その言葉を待っていた!」
限界に耐えられなくなったキラがこうするのを待っていたかのように勢い良く現れたバルフレイアは目を輝かせてキラの拘束を解いた。
「ガァァァァァァ!!!」
「キャッ!」
バルフレイアは繕ったような声をあげながら押し倒された。
キラはまさに血に飢えた獣になり彼女のうなじにかぶり付いた。
「ん、、、ん、はぁ、、、」
バルフレイアは見るものを圧倒させる美しいから甘美にして、男の本能を刺激するような声をあげた。
「ゴクッッゴクッッ」
「やっと、やっと手に入った」
キラは夢中になりながら自身が最も嫌っていた魔物の血を自身の体へとながしこんだ。
「さて、飲まれるだけでは本来の主従の契りは結ばれんからな、ワシも、、、」ガブリッ
キラは自分が相手に血を吸われているのにきずいたがきにしなかった。
何故なら延々に続くと思われていた渇きからの解放が彼をそうさせていたから。
自身の渇きが満たされたことに満足したのか、キラは夢中に吸っていた吸血をやめ彼女から離れた、しかし、渇きの充実感と供に戻ってきた、人間としての意識がキラを苦しめた。
「あ、あぁぁぁ、ァァァァァァ!」
キラは自身がまだ吸われているのも気づかすに絶叫した。