言の寺 其の弐
絶望を挫いた光
晴天の一滴
ひとしずく
笑顔の空が落した滴
。
青空は宇宙
明るい宇宙
なれば。は
宇宙の1ドット
実は光
光が
液化した模様
笑顔の宇宙が抱えている暗 そは暗雲 または星雲とも云う
星雲という雲が降らせた
星粒に似た雨
その一滴
廃ビルの隙間にダンボールを敷き蹲る
老人に似た青年
彼の財産といえば
弦の切れたギターだけ
青空をゾーンディフェンスしている
廃ビルから迫り出したコンクリート
その間隙を縫うようにして
。
一滴の光が
まだ繋がっている弦に落ちた
音は鳴らなかった
青年は虚ろな眼で
光を認識した
そうして
死んでしまうのではないかと思われるほどに
号泣をした
激しく
それは豪泣とも謂えるほどに
ああひかりだ
と
青年は思ったのです
絶望に限界があることを
光に気付かされたのです
唯一の救いであったはずの絶望にさえ裏切られ青年は
身を起こす
「立ってあるくしかない」
何故ならばもう
ここには絶望すらないのだ