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言の寺 其の弐

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どうせ死ぬなら色は赤



だからこそ僕は
君の唇が吐き出す言葉
真偽はともかくその言葉に殉じたい

僕は知ってしまった
絶望が希望の一種だということを
すべての「望」を君が独占しているのだということを……

*****

血であれ炎であれ
目の前を真っ赤にして死にたい

くだらない真実に沿うて死ぬのは青
セーフティな死は無駄死

「危険の中には常に可能性が無限にある」

「君のなウソに殉じて死にたい」

「真っ赤なウソで殺しておくれ」

紛うことなき赤ならば
命を燃やす熱を帯び
偽りは必ずや真実より重き価値をば宿す

「どうせ死ぬなら色は赤」

すべてを砕け散らかして消えたい
最大火力で死にたいんだ

赤く死ぬことが
「生きた」唯一の証になると
僕は信じている

危険度に比例せし希望の輝度よ
そのまばゆさよ

「君の唇こそが世界一世界一危険」


だかこそ僕の眼 映す世界は……
(未来形かつ過去完了形にて)
今夜きっと赤く染まる

作品名:言の寺 其の弐 作家名:或虎