言の寺 其の弐
どうせ死ぬなら色は赤
だからこそ僕は
君の唇が吐き出す言葉
真偽はともかくその言葉に殉じたい
僕は知ってしまった
絶望が希望の一種だということを
すべての「望」を君が独占しているのだということを……
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血であれ炎であれ
目の前を真っ赤にして死にたい
くだらない真実に沿うて死ぬのは青
セーフティな死は無駄死
「危険の中には常に可能性が無限にある」
「君のなウソに殉じて死にたい」
「真っ赤なウソで殺しておくれ」
紛うことなき赤ならば
命を燃やす熱を帯び
偽りは必ずや真実より重き価値をば宿す
「どうせ死ぬなら色は赤」
すべてを砕け散らかして消えたい
最大火力で死にたいんだ
赤く死ぬことが
「生きた」唯一の証になると
僕は信じている
危険度に比例せし希望の輝度よ
そのまばゆさよ
「君の唇こそが世界一世界一危険」
だかこそ僕の眼 映す世界は……
(未来形かつ過去完了形にて)
今夜きっと赤く染まる