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高柳敬紀の奇妙な日常

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 俺は自分自身を、至極普通の男だと思っている。友人に言わせると「それは気のせいだ」らしいが、特に目立つ容姿でもないし頭が良いわけでもない。平均的な男子高校生と言っても過言ではないと思う。名前も至って平凡で――まぁ突拍子もない名前なんてものは、そうそうないものだが――高柳敬紀という。
 ああ、唯一平凡と言い切れないのが家族かもしれない。母は、父と知り合う前に結婚していて子供――俺から見れば姉なのだが――がいた。「いた」という過去形なのは、その姉が7年前に結婚して家を出てしまったからで、他意はない。俺と姉は12歳離れていて……しかも嫁ぎ先には子供がいて……そいつ――俺にとって甥――は俺より7つ歳上だ。姉の旦那――俺の義兄だな――は、俺の両親と大して違わない。
 簡単に説明するとこんな感じなんだが……これで、複雑さが判っていただけたかと思う。つまりそういうことなんだ。
作品名:高柳敬紀の奇妙な日常 作家名:aqua*