小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
月とコンビニ
月とコンビニ
novelistID. 53800
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

放課後のパティシエール。

INDEX|2ページ/5ページ|

次のページ前のページ
 


●家庭科室。オレと案乃嬢
薫    料理音痴じゃねぇーわ!!
辻    いやいやいや
薫    ほら、食べてみれば分かるって!
辻    見た目は普通だけどさ
薫    だったらいいじゃない。ほらほら
辻    (ぱくっ
薫    どーよ!
辻    どーやって料理すれば、スイーツが無味無臭になるんだよ!
薫    は?めっちゃおいしいじゃん?何言ってんの?
辻    しかも味音痴かよ…
薫    なんで私が味音痴になんのよ!
辻    お前、自分が料理下手だから俺に教えてって頼んだんじゃないのかよ?
薫    は?そんなわけないじゃない。私が教えてほしかったのは、デコレーションとか見た目の方よ。
辻    確かに見た目も重要だけどさ…
薫    さっ、早く可愛いスイーツの作り方を教えてよ!
辻    ・・・・・
薫    いや〜味も完璧な上に、デコレーションまで完璧になったら、最早クラスの女子に敵はいないわね!!
辻    ・・・・・
薫   さっ!まずは何をするべき?器具は今日のために片っ端から買ってきたから問題ないよ!さぁさぁ!!
辻   器具じゃねーーーーーよ!!!!!
薫   え!?
辻   言わせてもらうぞ?!お前の料理センスは皆無だ!何がスイーツだぁ!?顔がかわいけりゃなんでも許されると思うなよ???
薫   いや、その…不味かったなら最初からそうと
辻   気を使って言わなかったんだよ!
薫   ひっ・・・
辻   バレンタインまであと何日だ…
薫   えっ…っと
辻   バレンタインまであと何日かと聞いている!
薫   あ、あと、一週間です!!!
辻   一週間か。よし…
薫   あ、あのー
辻   案乃嬢 薫!!
薫   はい!!
辻   あと一週間で俺がお前に味も見た目も完璧な、本物のスイーツを叩きこんでやる!!異論はみとめーーーーん!!!
薫   よ、よろしくお願いします!!!

辻   (こうして俺は、このクラスメイト、案乃嬢 薫のために、再びお菓子作りと向き合うことになったのだった。)

●一方、放課後の教室。桃と友人。

友人  今頃あいつは家庭科室で二人きりーってか? うらやましーねぇ。おれもそろそろ帰るかぁー。
桃   何言ってるんですか先輩。無視しないでください。
友人  あ、いやぁ。やっぱりだめ?
桃   ダメに決まってんでしょ。ちゃんと返事をください。
友人  だってそれ、めんどくさいというか…。やりたくない。
桃   ひどい…。泣いちゃいますよ?
友人  わぁ〜、ごめんごめん。
桃   じゃあ一緒に来てくれますよね?
友人  …やだ。
桃   なんで!
友人  あいつは今家庭科室で案乃嬢と二人きりなんだろ? それでいいじゃんか。
桃   それだけじゃ不十分なんです!
友人  おまえ、案乃嬢の妹、だっけ?
桃   そうです!
友人  それがなんでまた、あいつと案乃嬢をくっつけたがってるわけ?
桃   私も案乃嬢です。
友人  あ、あぁ、紛らわしいな。
桃   でしたら今後私のことは桃と呼んでください。
友人  わ、わかったよ…。で、なんでそんなにくっつけたがってるんだよ。
桃   ライバルは消さなきゃなりません。
友人  ライバル?
桃   いいですか? 先輩、好きです!
友人  うん?
桃   だから、好きです。
友人  …ごめんもう一回。
桃   聞き間違いとかじゃないですよ。先輩が好きです。
友人  …あ…うん。そっか。
桃   さ、家庭科室に行きますよ。
友人  あ、あぁ。
桃   やっとついてくる気になりましたか。
友人  …ん? いや、違うよ! 危ない危ない。びっくりして言いなりになりそうだっただろ!
桃   先輩の返事はまだいりません。きっと私はお姉ちゃんに勝てないから…。
友人  え?
桃   だから、お姉ちゃんには負けられないんです!
友人  負けられないって…。
桃   お姉ちゃんの企みを潰さないと。
友人  企んでるって、俺の友達とクッキー作ってるってだけだろ。
桃   そうですが、問題はそのクッキーを渡す相手です!
友人  渡す相手?
桃   それは内緒です。
友人  それと君と一緒にいくことに何の関係があるんだ?
桃   さっきも言いましたが、私と一緒に家庭科室にちょっと行くだけでいいんですってば。
友人  だから俺はあいつの邪魔はしたくないんだって。
桃   邪魔じゃないです。むしろ先輩のお友達にとっては良いことが起こるかも…。
友人  なんで…?
桃   あーもうっ、わかんない人ですねぇ!
友人  お、おい、大声出すなって…。
桃   私が先輩と一緒にお姉ちゃんたちの前に行くことでお姉ちゃんはある勘違いをします。
友人  ある勘違い…。
桃   私と先輩が付き合ってるんじゃないかという勘違いです。
友人  えぇっ!? いや、それは困るというか…。困らなくもあるというか…。
桃   そして私は先輩と腕を組んで家庭科室を出ていきます。
友人  腕組むの!?
桃   そうするとですね、お姉ちゃんはバレンタイン前に失恋することになるんです。
友人  ど、どういうことぉ?
桃   そしたら、お姉ちゃんは先輩のお友達といい感じになるかもしれません。
友人  おお。
桃   私達はそのきっかけを作るんですよ。
友人  あ、そうか! 案乃嬢には他に好きな人がいるわけだ。失恋することであいつに恋の矛先が向くかもしれないと。
桃   やっと理解しましたか。
友人  でも俺と君が一緒にいることで、案乃嬢はなんで失恋になるんだ?
桃   はぁ。先輩は自分の好きな人が他の異性と腕を組んだりしていたらどう思います?
友人  どうって…ショック、かな。自分の付け入る隙がないみたいで。
桃   そういうことです。
友人  そうか! 案乃嬢…そうだったのか。
桃   気づいてしまいましたか…。でも私は負けませんよ。
友人  大丈夫だ。
桃   え?
友人  姉妹でどういう関係だろうと、俺は誰にも言わないよ。約束する。
桃   あ、あぁ…そういう事になりましたか。
友人  え?
桃   いや、いいです。
友人  なんだよ…。
桃   先輩。
友人  なんだ?
桃   …いえ。ほら、行きますよ。
友人  よし、待ってろよ。案乃嬢とおまえをうまくくっつけてやるからな!

友人  (かくして俺は案乃嬢の妹、桃と共に友人の恋のきっかけをつくる計画を始動したのである。感謝しろよなっ。)