小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

二度目、三度目と続き始めた宗教の勉強。~その三~

INDEX|1ページ/1ページ|

 
そんな風にやり取りをしていて気付いた点がある。
私は予習復習の時に、疑問に思ったことをノートに質問形式にメモしていた。
全ての質問をしようと思っていたのだが、それがうまいこと出来ない時もあった。
しかもその質問からうまいこと外れていたり的外れになりそうな形に勉強が進んで行ったりと…。
また聞こうかと思うのだがなかなかそこには行かず、質問を諦める形となってしまう。

そして気付いてしまった。
おばちゃんがノートを覗いているということが!!
その姿を目撃したのにおばちゃんは気付かずに、ノートを凝視している。
“これは怖いぞっ!!”
と私の心が陣営を張ったような状況となった。

そういう事かと分かってしまえば、おばちゃんのペースに負けたくないと私の心は燃え始めた。
それもこれももしかしたら私を試しているんじゃないかと…。
これはおばちゃんのための勉強ではなく私のための勉強なのだから。
私はしっかりと質問することに決めた。

宗教の人たちは20~30ページくらいの雑誌も持っていて、それを基にしても勉強をした。

先ずはおばちゃんたちについての説明から始まった。
『聖書にはキリストのことを“忠実で真実に証す人”と書かれています。キリストがしてきた行いやその行いに従う人、同じ行いをする人を“神の存在を証すもの”と呼びます。そして私たちはそう呼ばれています。ということは私たちはキリストと同じ行いをしているということになりますね。』
とおばちゃんは説明してくれた。
そこで私の疑問を投げかけた。
『キリストと同じ行いをしているということは、キリストは神を見た人でおばちゃんたちは神を見たことがないのに、同じ行いと言って神様は怒らないんですか?!』
おばちゃんは満面の笑みで、
『はい、神は私たちをお許しになるので構いません。』
と答えた。
私は、もし自分が神様の立場だったら会ったこともない人に勝手にそう言われたら許せないと思ったので、
『神様に直接聞いたわけではないのに、勝手に答えを出していんですか?!』
と驚いて聞いた。
おばちゃんは涼しい顔で、
『はい、いんですよ~。神は大きな心をお持ちなので許してくださるんですね。』
と言った。
私は一応肯いたけど、自分の考えもあるので納得出来なかった。
それを察してか、おばちゃんは、
『信じられなくてもいんですよ。私たちのようになるにはそれ相応の覚悟と心がなければなれませんから。私たちのようになるにはそれ相応の時間がかかるんですよ。でも私は一年ほど~かかりましたけどね。』
とドヤ顔で言った。
私は一応、
『すごいですね~。』
と称えたけど、覚悟と心なんて言っていたけどおばちゃんの欲深さが欲しいとは思えなかった。
でも世界中には聖書研究生が16万人以上いると聞いた。
その内の二人は私とお母さんということになるけど、少なくても私はおばちゃんのようになりたいとは思えなかった。

その日の勉強が終わって、いつものように玄関までおばちゃんを見送った。
いつもおばちゃんは、
『神と話すことは出来ません。』
と言い続けていたのに、どうしてか、
『神に話しかけてみてはどうですか?!』
と言い出した。
『はっ?!神に話しかけていんですか?!』
と驚いた私は聞いた。
『はい、大丈夫ですよ。もしかしたら神が答えてくれるかもしれませんよ。』
とおばちゃんは続けるので、
『なんと話しかけるんですか?!こんにちは~ですか?!』
と聞いたら、おばちゃんは笑いながら、
『あははは、それもいいかもしれませんね。神様~、こんにちは~。神様、いますか~。なんていいですね。』
と怒るどころか乗ってきた。
『話しかけるんですか?!何処にですか?!』
『ん~、どこでもいいので話したいと思った時に話しかけてみてください。』
と言って帰って行った。

何だったんだろうとおばちゃんを見送った後、しばらく玄関に立っていた。