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フレンドボーイ42
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リコーダーが吹けない(零的随想録1)

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抹茶味


 抹茶味。日本がなかったら絶対に生まれえない味。世界でも結構グリーンティー味として売られている、今はもう基本のアジトかしつつある、抹茶味。茶は元来中国のものだった。いや、今も確かに中国のものだ。しかし、日本人のオリジナリティは、既存のものを模倣して、その型(フォーム)を壊すところにある。それができてこそ、新のオリジナルを目指せる。これは「ドラゴン桜」の桜木に言わせた、三田紀房氏の言葉を持ってきたものである。
 抹茶。紅茶ほどはやらなかった抹茶。
 イギリス人のティータイムに、紅茶と違い緑茶は合わなかった。緑茶の特長として、どうしても砂糖を入れた時の味が変になるという点がある。中国には砂糖を入れた緑茶なるものが売られているが、お茶は体を温めるものとして見られている中国に於いて、お茶ではないことを示すための策である。しかし、やはり甘ったるいだけで、どこかあっていない、味としては最悪のバランスである。(因みに、ビー理も向こうでは冷やして飲むのはおかしいらしい。ビールは酒であるから、酒の効用である、からだを温める作用を逃してはならないと。しかし、酒にそういうことを求めるのは、病気の時だけでよかろうと思うのである。)紅茶は甘くても納得できてしまう。本当はもっと渋い味だが、それでも紅茶は緑茶より甘い味がほのかにする。本当の話、緑茶にも甘みはあるといえばあるというものだが、なれていない人には感じられるはずもなく。もともと人の代わりに飲むためのものである以上、飲みやすい方をチョイスするのは当然であった。
 だが、過去の西洋人は絶対に気づかなかったろう。甘みが合うような、それでいて緑茶で、紅茶なんかより甘くて許される味を。

 それが、抹茶だ。

 抹茶味のアイス。抹茶味のクッキー。抹茶味のチョコ。抹茶味のパフェ。抹茶と小倉のコンビネーション。抹茶は緑茶でありながら、すい―つの座を獲得できた茶であり、それは紅茶の追随を許さないものであった。