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フレンドボーイ42
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リコーダーが吹けない(零的随想録1)

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はじめに。Wonderless Prologue


 最近の作家さんのエッセイというものをちょっと本屋さんなんかで立ち読みしようと思うと、くらっときます。長い。いや別に長くたってすらすら読めるものだってあるし、スラスラ読むばかりがエッセイではないけれど。僕が言いたいのが、みんな同じくらいに長い。ということ。嫌厭おかしいでしょう、と。
 エッセイを日本語に直すと、ふさわしい言葉は『随想』でしょう。『随筆』という場合が多いですけれど、随筆より随想のほうがものの本質をとらえているように思われます。すなわち思ったことを書くからエッセイなわけです。思ったままに書く。当然話は脱線することすらあるわけです。文体も整うことがあるわけない。当然ですが、最近の作家さんのエッセイはなぜか話がめったにそれない。それどころか、テーマを決めたらそれについて自分の『考える』ことを、それも整った文章形式で書いてよこしてくると。卜部兼好という人を知っていますか。『徒然草』という随想を残した人です。本当に随想の基本を語っている一言目。『つれづれなるままに』。『暇だから』。何でそんなことを思ったのか、という問いに一言目でさっさと答えること、短い。別に編集部からテーマが寄せられたわけでない。ただ思ったから。彼はさらに、その引き籠もりぶりをいかんなく発揮します(隠居と呼ばれる彼らの生活スタイルではあるが、隠居といっても別に世俗には触れているので、完全にひきこもりであるわけではない。確かに彼自体、いろいろな場所に出歩いてはいるが、…まあ隠居というものが世俗が嫌だからですから、ひきこもりで間違いないでしょう)。何と一段を二文だけで済ませている個所があります。二文ですよ二文(意味としては、優れた名工は劣った道具を使うものだ、それについて具体的な人命を出して、その人の動画はぼろ屑同然だと言う意味で、優れているほど道具をしょぼいものにすることで、必要以上を出さない、という良さを書いています。度が過ぎたら困りますからね)。何でもありだなあ、と。
 エッセイは書きたいから書くもの。テーマと文字数をきっちりそろえてもエッセイと呼べるのか不安です。ですから僕は以下のルールでエッセイを書いて行きます。
 1.常体と敬体をごちゃ混ぜに使う。
 簡単な話、ため口と丁寧語を混ぜるっていうことです。一篇丸ごとため口だったり、一篇丸ごと丁寧語だったり、まぜこぜだったり。まあ上の文章を読めば「ああ」と気づいてくれるでしょうから、これはあえてくどくど書きませんが、それで読みづらいかって言うと、人って意外に内容は読んでも、丁寧語とため口では文章中なら気にしないんですよ。会話では気にしますけどね。それに文章をずらずら書いていたらそういうようにならざるを得ないと思います。
 2.書きたい量だけ書く。
 さすがに二行はないものの、書きたくないのに長く書こうという気もないです。また、書きたいのにどこかで区切るというのも嫌です。書くのなら書きたいと思えるところまで書きつづけます。それが嫌って言われても困るわけです。
 3.話が脱線していようが気にしない。あとで帳尻合わせをすればいい、の気持ちで書き連ねる。
 話なんて脱線しますよ普通。脱線しないで書くということはつまり書きたいように書いていないからですよ。従うまま書いていたら脱線します。ある科学者によると、どうやら人間は3秒もおんなじことを考えていられないそうです。だったら何でよの書き手たちは脱線しないのでしょう?
 4.思いついたままに書く。
 一番当たり前すぎることを言ってしまいましたが、これに全てはつきますよ。このためにこのエッセイを書きます。そういう決意表明です。
 それでは、まえがきぐだぐだ書くのも見苦しいでしょうし、書きたいことがあったら追記していきます。それでは、お楽しみ下さい。そして、遠慮なく突っ込んでください。突っ込んでくれるなら、たとえひどい言葉であろうとも、それはうれしいことです。人間は見放されていないと思えれば、それが何よりの救いですから。