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ツキノシタ

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25歳。
久しぶりの同窓会。久しぶりに会う彼は変わってないか、そんな思いを胸に抱きながら、華は会場へと向かう。
「華?」
会場に着くと、後ろから声を掛けられた。振り返るが、誰だか分からず華は考える。
「えっと・・・・・」
「忘れた?ヒデーなぁ。遠野だよ」
「遠野くん!?」
「思い出してくれた?」
「変わってて分かんなかった」
「そ?」
「ん。カッコよくなった」
昔は言えなかった様な言葉も、年を重ねるとすんなり言えるようになって来る。
「華は変わんねぇな」
笑顔で遠野に頭を軽く叩かれながら、華は思った。久しぶりに会いたかった彼の笑顔も、変わってないな、と。
そこに、「よっ」と片手を挙げて、昔からのモテ男、山下が現れた。
見た目はチャラチャラしてるが、いい奴だと華は思っていた。彼と恋愛をしたいとは思わないが。
「山下、久しぶり〜」
「あ、山下。華、オレの事分かんねぇの」
「カッコよくなって分かんなかったなんて、いい事じゃん」
「その流れで、何でオレはすぐ分かったわけ?」
ニヤリとした表情を浮かべながら山下が華に言う。
「これと言って変わってないから?」
「お前もな。相変わらずちっちぇえ」
笑いながら山下は、遠野が先程したように、華の頭をポンポンと叩いた。
それを、
「触んないの」
と、遠野が笑いながら止める。自分もさっきしたくせにと思いながらも、華は少し嬉しかった。
作品名:ツキノシタ 作家名:ちへたん