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ごかくはしかく

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「はぁい、みなさん。教科書からは外れてしまいましたね」
「せんせい、面白かったです」「もっとしてよ」
両手の平で空気を押さえつけるように 児童たちの発言をなだめた。 
「数を表す漢字なのに画数には関係あるような、ないような文字のことが 先生はずっと気になっていました。1、2、3、5、4、4、2、2、2、2の話はおしまいです」

「おれも てきとうに絵をかいて 字作ろうかな……」
「きっと123ってきて 5になったから慌てて4に戻したら あとパニックになったんじゃない?」
「こういうものよで 片付けちゃうのよ。今も昔も 変わらない…」
「でも、今どき入力したら変換してくれるもん」

「はいはい。みなさんが『文字』を使うとき、どうしてこの字?と考えれば、何か見えてくるかもしれません。使い方がわかると こくごも楽しくなってくるかなと思います。そう、ゲームを攻略したみたい? ………(?) 先生は新しい言葉も面白いと思います。でもなるべく意味のわかるものにしてくださいね」
「先生に 教えてあげるぅ」
「ありがとう。先生が勉強します。では、この話は これでおしまいにします。教科書の、あ・・・」

終業を告げるチャイムが鳴った。

「起立!」と日直さんが言いました。

その声に先生は、『れい』と黒板に書きました。



        『0』
 


     ― おしまい ―
作品名:ごかくはしかく 作家名:甜茶