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まだ、信じてる

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―I Still Bileve,Love You―

「若―ぁ、英語のグラマーんとこ、見せてよ」
「あ、オレも、オレも。わっかんねーんだよ、ここさァ」
休み時間になると、必ず、若宮 竹流(わかみや たける)の所には、
人が集まってゆく。愛称¨若¨。薄茶色っぽいサラサラした髪に、
優しい大きな瞳も茶。白が似合う、竹流はものすごく人あたりのいい
きれいな少年だ。そして、高遠 明海(たかとお あきみ)の公称・親友。
明海もキレイな少年だ。タレ目ぎみの二重の黒い眼、つりあがった眉、
漆黒の髪をして、少し、人を寄せつけない雰囲気をもっていた。
「若ー、なーなー」
「あ―、そこ明海がよくわかると思う。明海―。」
「・・なに、竹流?」
すこし、無愛想なカオで、明海は振り向く。
(竹流のヤツ、なんでそんなに皆にアイソいいんだよ?!)
にこにこしながら竹流は明海の机に近寄っていく。
つられて友達がゾロゾロと竹流についてくる。
そんな所も、明海の神経を逆撫でする・・・何故なら―。
(竹流!!!)
笑いながら少し右頬がひきつる明海。竹流は、平然と、優雅な微笑みを
たたえながら、みんなと会話している。
(―オレだけ、見ててくれよ!たのむから!・・・でないと・・・)
明海は心の中で、そう叫んでいた。

「竹流はさ、人がよすぎんだよ。この八方美人っ!」
「何、怒ってんの?明海」
音を立てて、自販機の取り出し口から明海は缶コーヒーを取った。
ちらっと竹流の方を見る。
「利用されんなっていいたいの。」
「利用って・・誰に?」
コーヒーに口をつけながら竹流は明海の方をきょとんとした顔で見ている。
(あ―――っ竹流って、ホントに!!)
「いいよっ、もう!」
明海は缶コーヒーを赤いBOXに投げ込む。
その瞬間キスで唇をふさがれた。
自販機に押さえられて。
一瞬にして、怒りが溶けてゆく上手い深いKISS。
頭の中はもう真っ白―・・。夢中にこたえていく。優しい、くちづけに。
唇をはなし、すいこまれる様な竹流の瞳が間近に。
その瞳は微笑んでいる。
もう何も考えられなくなる。その上、ダメ押しに、
「好きだよ・・明海。」
甘く、くぐもった声で囁かれては・・もう腰くだけ、だ。
こんな時、自分のコトを我ながら情けないと思う明海だった。
竹流が明海のコトを知りすぎている事に。
「人が・・・来る・・かも」
「別にかまわない、明海といっしょなら」
(そういうコト、そういう眼でいってのけないでよ・・・)
黄昏の公園は闇に染まりつつ人影もない。溜息がキスに変わってゆく・・。
「はぁ・・・・」
「ん?やめて欲しい?」
「・・ヒドい・・」
「何が?」
「・・・いい、もう、っあッ!!」
竹流は立ったまま、明海の左足を持ち上げ、突然はいった。
自販機に背中をつけたままの明海を、右手で愛撫する。
「ぁ・・・ァ・・あっ!!」
その上、キスをする。クラクラするような濃厚なKISSを。
竹流はSEXになると、いつもの穏やかさはどこへやら、もの凄く激しく、
たくみに明海を翻弄する。信じられないくらいに・・・。
そして、甘いかすれた声で
「すきだよ」
と呟き続ける。
「あぁっ!!!」
二人は、ほぼ同時にXTCに達した。

竹流は、そのあと、とても明海に優しい。
「秋海・・・こうしていたい・・ずっと」
ベンチに力なく座る明海の肩を抱き、髪にくちづける。
明海はそしてとても哀しくなる。竹流はきっと多分、今までかなりの数の
相手がいたコトが明白だからだ。・・・今は明海だけだとしても。
それを決して明海に言わない、竹流。
思いやりだとわかっているだけに、明海は見えない相手に嫉妬する。
そんな自分が情けない。竹流の過去の恋愛に妬く自分が。
竹流のことを愛していると言い切れる。
だから、明海だけの竹流でいてほしい。
(なんて俺って心が狭いんだろう。竹流を独占したがっている―
こんなのってワガママなだけ―?・・・)
「帰ろうか?」
温かい微笑みで、夕闇の中で見つめている竹流。
(竹流・・―俺、竹流だけ・・一生、竹流一人しか―・・・)
「どうした?」
「・・うん、なんでもない。帰ろ。」

「竹流ちゃ―ん、夕飯ですよ―。明海くんもね―。」
「は―い、ママ。」
はっきり言って、竹流の家は上流だ。
竹流の¨ママ¨静流(しずる)は華族出のお嬢様。
今はいいお母さんで、竹流を心から愛している。
父、竹雄は一大コンツェルンを束ねる大会社の重役をしている。
その会社の、会長の息子で将来の社長の座のための重役職らしい。
だが、竹流の母も父もすごく気さくで、明るくて優しくて、
竹流に過保護すぎない。
竹流の性格の素直さや、他もろもろの当然さが感じられる家庭だ。
「父さん、おそいねママ。」
「そうね・・忙しい時期だから・・・。電話がきたらお迎えにいくわ。
でも明海くんと竹流と食事できるんですもの、とっても嬉しいわ」
そういって¨母¨静流は明海に笑いかける。聖母のような笑みだった。
明海も笑い返したが、少し、良心が痛んだ。
(オレ達の関係を知ったら竹流のお母さん、どうするだろ・・・?)
そんな明海の心も知らず竹流は優雅にナイフとフォークをあやつっている。
竹流は容姿も美しいが、その上仕種までが優美だった。
愛情を受け、それを人に返すすべをよく知っている。
誰もが、愛してやまないそのすべて。
だから明海は思ってしまう。
(竹流はどうして、俺のことを好きになってくれたんだ・・・?)
明海は、二人が出会った頃のことを回想した。

あの日、入学式で、みんな似合わないスーツや、
中学の時の小さくなりはじめた制服を着ていた見慣れない人の波の中で
初めて、竹流をみつけた。
竹流は掲示板に張られたクラス別の表に見入っていた。
すいつけられる様に目がいってしまったのを今でも、明海は憶えている。
そこだけが異空間に見えた。
ベージュのJKとパンツのスーツに白いシャツが似合いすぎるほど似合う
上品な貌立ち、物腰。
柔らかい白い光を放っている―ホワイト・フィールド―。
その次の瞬間、驚いたことに彼は明海の方へ振り向き、
懐かしそうな微笑を投げたのだった。
(えっ・・・?)
まぎれもなく、彼は明海の方まで歩いて来て、
容姿におとらぬ、優しい甘い響きの声でいった。
「はじめまして・・だよね?でも、前に会った事・・ある?」
それが、すべてのはじまりだった。

それから二人はたいてい二人一組、人からは〝親友〟と呼ばれていた。
しかし、明海の竹流に対する感情は、時をこえるごとに〝友情〟とは
異質なものになっていった。竹流の白いうなじや、指先、唇・・・
すべてを(欲しい)と思うようになっていった。
そして、一人なぐさめ果てる夜・・・。
隠し続ける想いに耐えきれず、明海は、竹流から少しづつ離れようとした。
しかし、竹流は敏感にそれに気づき、問い掛けてきた。
作品名:まだ、信じてる 作家名:中林高嶺