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華鏡(はなかがみ)~鎌倉のおんなたち・時代ロマン小説連作集~

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 鎌倉を舞台にした四人のヒロインたちの物語、いかがでしたでしょうか?
 拙い作品を最後までご覧いただきまして、ありがとうございます。いつも同じ科白しか言えないことがもどかしくもあるのですが、たくさんの感謝の言葉を花束にして、ここまで長い話を読んで下さった方々に捧げたい想いです。
 最後の最期で悩んだのは、やはりラストの描き方でした。千草の回想シーンということで、その後の頼経・頼嗣父子については軽く流すという形にしました。その中には河越氏の滅亡も入っています。長く詳細に描こうと思えばできましたし、実際、さらりと流すだけの方が良いのかと悩みどころではありました。
 しかし、考えてみて、この物語は幸福な結末で終わらせた方が良いのかという気がしました。幸福といえば、やはり、若い二人の祝言の場面ではないでしょうか。
 とはいえ、頼経父子の運命は史実としては悲劇的な最期を迎えています。彼らの生涯を描く以上、その最期に触れないわけにはいきません。
 河越氏の滅亡についてはフィクションですが、これも詳細に描くかどうかも思案しました。千草が懐妊を知るシーン、母菊乃との別れ、燃え盛る実家から赤児を連れて逃れるシーン、一連についても同様でした。
 考えた末に、このような形を取りましたが、果たして、これで良かったのかどうか。思い切って頼経と瑶子が昔を懐かしむシーンですっぱりと終わらせる。そういう手法もありました。ですが、それだと、頼経父子の辿った悲惨な運命をすべて語り切れていないことになる。
 難しいですね。端折りすぎてもいけない。くどすぎて冗漫にもなってもいけない。ここが最後になって悩みました。
 結局、こういう形になりましたが、どうでしたでしょうか?
 長らくおつきあい下さり、本当にありがとうございます。心からの感謝を。
作者
2015/02/04