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ワタシはタワシ

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南マキ17才 白百合学園のちょいと勝気な女の子。

港和也 18歳 マキの隣り500メ-トル位離れた桜並木高校の生徒。

ある朝二人は江戸の面影を残す町{川越}に、ぶらりと降り立ち、
商店街の路地へと足を踏み入れた。 
すると小さな雑貨店の貼り紙が目にとまり、立ち止まった。
貼り紙には「ワタシはタワシ使ってよ!」
筆で無造作に書かれた広告が有った。
店の奥を覗くと、おばさんがにこやかな顔で、
その後ろには、いかつい顔のオヤジが
縦一列に並ぶ様に見えたのである。歳の頃は70前後の夫婦かな?
     この並びが、ややこしい話の入口となる
マキ:ね-タワシだって!
和也:別に珍しくもないよ(妙に落ち着いた声) と、
言いながらも貼り紙を読み始めた。「ワタシはタワシ、、、」
何だこれ、ただの広告じゃないの?と、その時である、
自分の考えではない、もう一つの考えがちらつ
いているのに気がついた。マキでもおばさんでもない、
どうやら奥の親父さんの考えている事が解ってしまったらしい。
何やら商店街をもっと良くしたいらしく、こちら
の方は眼中にないみたい。人はみかけによらないなと、
思いつつ、でもこれが偶然でないとすると、和也の顔がにやけていた。
それを見たマキ:何よ、気味悪い!言い放った後、ね-何か食べようよ。
先程からホットドックが良い香りを、漂わせて
いたのである。からしとケチャップをたっぷり塗り、
歩きながら食べ始めた。この時、和也はあの不思議な感覚が頭でいっぱいで、
どうにかして試す事は出来ない
かと、、そうだ、マキで試してみるか、あいつの考えがより解ったら、
どんなに楽しいか、でもおばさんを越えて、親父さんの考えが解った、
あの状態にするにはどうしたら良いのか、兎に角思いつくまま喋り始めた。
和也:なあマキ、昔はな、女は男の後ろを三歩下がって歩いたらしいんだよ。
   だからマキも三歩下がらない?
マキ:何で私が下がらなきゃいけないのよ!
(垂れそうなホットドックを食べながら)
和也:そうだよな、今はレディ-ファ-ストだもんな。
   じゃあマキが前を歩いてよ、ね、そうしよう。
わけの解らない事を言いながら、和也が後ずさりに、
マキの顔を見ながら距離をとって歩き出した。
「ワタシはタワシ」だったよな、でもこれじゃ駄目なんだ。
あのおばあさんの役をする人がいなきゃ、
すると後ろから女性が近ずいて来た。
マキ-女性-和也が理想的、このままだとマキが女性に抜かれてしまう、
これはまずい和也は女性を真ん中に入れようと回り始めた、
すると、
マキ:何やってんのよ ホットドックを口に詰め込み、串を投げ捨て、
女性がマキの前に出ない様に動き回るがいつまで経っても良い状態ならない。
迷惑なのは女性。余り和也の動きが不審なので
怪訝そうな顔で立ち去ったのでした。

そんなこんなひと時が過ぎ、西の空に眼を向けると、
今有った事を忘れさす様な、素晴らしい夕焼け、
和也:見てマキ、綺麗な夕焼け。マキが応える、ホント素敵ね-
マキの肩にそっと手をかけ、知らないうちが花なのよ、
なんて呟いていて、明日は
きっと、、野望を巡らす 和也、ロマンチック気分の
マキ、ホットドックが静かに 消化していく。

おはよう、和也は何時もより少し早い目覚め、スッキリ、
元気、行ってきま-す。
何時ものバス停に並ぶ、、が、時間のずれで顔ぶれが違うと思いつつ、
昨日の失敗が頭をよぎる。でも、こんなにもキレイに並んでいるならと思い、
なら、試させて 頂きましょう。「ワタシはタワシ」と、呟いてみた、
すると、一人おいた前のおばさん の後ろ姿から
「早く課長と別れなきゃ」感じ取れた、さらに「バレてもいいか、でも」
な、なんだ、このおばさん朝からワイドショーみたいな、
たまんないな-、恐い、恐いもうやめようかと、同時に、
もしかしてマキも、まさか、益々野望と不安がつのる
 和也であった。と、その時バスが来た。何時もながら混んでいる。
暫く揺られてると痛いっ!聞き覚えのある声、あのワイドショーのおばさん、
どうやら足を踏まれたらしい、パっと後ろを向いた、
その時和也は思わず見入ってしまった、なんと近所の
奥さんであった。わ-早く降りたいな、すると、
ぴょこんと軽く挨拶された、つられて
 頭を下げた。いつも通りの奥さんで、取り乱したのは和也であった。
何であの人が又、マキの顔が、、やっとの思いでバスを降り歩き出した。
桜並木の香りを存分に吸い込んだ和也(う~ん気持ちいい)
あのブル-な気持ちが払拭されると共に好奇心や 
優越感がじわじわ湧き上がるのを感じた。一方マキはと言うと、
相変わらず気だるい通学気分で自転車を降り、学園に向かい歩いていた。
マキ:そうだ、今日は久しぶりに奈美とアサカを誘ってブラブラしよう、
帰りの計画を立て、クラスに跳びこんで行った。
二人を見つけると誘いをかける、ノリの良い二人、
勿論オ-ケ-。放課後、和也からポケベルにメッセージ
「桜咲く」これは桜並木で待つのマキとの合言葉である。
マキ:ね-奈美、アサカ、ちょっと寄り道してくれない?
和也と待ち合わせなの。
二人:うん、いいよ。 三人は桜並木に向かう。
その頃、和也はあれやこれや計画を巡らせていた。
和也は三人で来るのは知らない、だからどうして、マキをあの状態の
位置にしたら良いのか、前の失敗もあるので、
何とかスム-ズに出来ないものか
あれこれ考えていた。バス停に行こうか、
でも、マキの間に一人入れなきゃ、もし 客がいなかったら、
色々思いを巡らせていた。
すると、キャっキャっ!と、桜並木の 向こうから笑い声
(因みに桜並木は50メ-トルしか無い)
あれ!三人いる、ラッキ-
天の恵か恵のマキちゃん、わけの解らない事言いながら走り寄った。
 和也:よ-一緒だったの?和也にとって奈美も
アサカもマキと同じ位の付き合いの長さなのだ。
この時点では横一列、軽い喋りのなか、縦一列にしなきゃ、と、三人の
 前に又、後ろ向きに歩き出した。で、ふと、閃いた。
和也:なあマキ、何かゲ-ムしながら歩こう、たとえば「じゃんけん」とか、
「じゃんけん」?マキが聞き返す。
 和也:そう、じゃんけんで勝った人が三歩前に行くの、
それで、一番最後の人が何かおごるの、残りの人に、これどう?
余り乗り気のない三人がしぶしぶ、了承した。
和也は考えていた、あの状態にするには
リスク「おごる」を伴うが後ろから行くのがベスト、
それにはじゃんけんに負ける事
浅はかな考えは解りつつ、まず、一回目のじゃんけん、
マキ:グ-、
和也:ちょきやった-、小さいガッツポーズ、マキ三歩前へ、
次は奈美と、強引に指名、じゃんけん ぽん、又負けた-、
勝利の女神が来た、奈美三歩前へ、
さてアサカに勝てば、マキの
考えが、と思うと自然と力が入る。
「因みに、並びは、奈美-マキ-和也」しかし負け癖
が付いて残念負けた、これで一回目のチャンスは消えた。
三回程繰り返すがことごとく失敗。
ここで和也の頭の中には、別にマキでなくても
早く試したいの思いが強くなってきた。こうなると決着は早い、
作品名:ワタシはタワシ 作家名:和.ダ