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陽高慈雨
陽高慈雨
novelistID. 48050
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更新日時:2014-10-27 17:39:34
投稿日時:2014-10-27 17:39:34

私の読む 「宇津保物語」  楼上 下

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作者: 陽高慈雨

カテゴリー :時代小説
総ページ数:7ページ [未完結]
公開設定:公開  

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著者の作品紹介

巻名 前巻で述べたように、下巻も同じく色々の巻名がある。

巻庁 前巻が楼上上巻であるから、ここは当然、楼上下巻の筈である。巻序の乱れた底本及び「東」でも、第四「楼のかみ上」に続いて第五「楼のかみ下」とありながら、上と下と逆になっていることは、他の教本と共に前巻で述べた通りである。「流」系統の大部分と「九」系統では第二十、楼上下巻となっている。

年立 巻頭の「かくてつとめて」は、前巻終の八月十七日の翌日十八日の朝であろう。仲忠は、尚侍と犬宮を楼へ移し、その日から琴を習わせる。九月九日の節供が過ぎて、「前栽も山の木どもも紅葉」し、犬宮が「楓の琴の上に散りおほひたるを、まろが弾くうらやましとや琴のうへに楓もかゝるねをひかんとか」と詠み、「十月時雨に紅葉かきくづし、とゞまる木の葉稀也」、十一月犬宮は楼から寝殿に下りて琴の稽古を続ける。 

冬の空のすさまじい季節にもあわせて琴を弾く事を教わる。新嘗会、雪の日の母宮を恋うる犬宮、十二月の節料、翌年正月朔日の仲忠参内、子の日があり、「二月晦」西犬宮機に帰る。「三月節供」のあと、鴬の声にあわせて琴を弾く。「五月節供」「六月晦日御祓」に続く「七月七日」の「七タ祭」には尚侍がはし風を弾いて七夕の御供どする。
「八月朔日」に「九月上の十日の程に、帰り給ふべき」
予定が「八月十五日」ときまって準備にかかる。前日から公卿殿上人は勿論、大后・御子・女御達が参集し、当日二院御幸あり、犬宮・尚侍両人の楼から寝殿へ移る儀式には輦の宣旨が下り、二院の音頭で厳かに進行する。
 その夜から暁へかけては尚侍と犬宮の弾琴で奇瑞が起り、貴人より下賎に到るまで男女老幼の感嘆の声の中に全篇が終結する。

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