僕の細道
序章 ① 前説
『月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也・・・
予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず・・・』
松尾芭蕉
五百円玉貯金箱が一杯になった。
貯金箱をひっくり返し、中身を数えたら
何と、200枚を超えていた。
10万円じゃん!
プータローたまにフリーターのオイラにっとってこれは大臨時ボーナスである。
何に使うか1週間以上悩んだが
正直、これっと言って欲しいものもない
ただダラダラといつものようになくなって行くのはさみしいので
家賃の先払いに充てようとしか思い当たらない自分が情けない。
そんな時、近所の区立図書館で『奥の細道』の本が目に入る。
そういえば、若き時は世界中を放浪していた。
五十路を越えたら世界五大陸をバイクで制覇するんだなどと真顔で思い込み
四十半ばでそれ用のバイクを買い求め
肩慣らしにテント後ろのシート括って日本中をツーリングしていたが
途中、事故で腰を痛め断念。
以後、人生に何の目的もなく無用の長物としてダラダラと生き延び今日に至っている。
未練たらしくいつまでもバイクを所有していたが
この春に収入がなかったので「バイク王」を呼んで家賃に充てた。
あの頃、目的なしのツーリングに飽きて
冒頭の文章に誘われ、わけもわからず芭蕉の『奥の細道』をなぞった記憶がある。
『閑さや岩にしみ入る蝉の声』
山形県の立石寺に立った時、この句を五感で感じたのを思い出す。
そうだな、久しぶりにこのお金で旅にでも出ようか
再度、奥の細道をなぞろうかね
あれから10年以上、また違う風景が見えるでしょう
そんなことで再度、陸奥の旅へ出ることにしたが
10万円の予算では限りがある
芭蕉は五ヶ月かけて歩いたそうだが
宿泊費が膨大になる。自転車も同じく。
バイクに野宿テントが一番安いが、バイクはもうない
レンタルも結構高い、それよりも身体が持たないわな!
仲間に声をかけ余っている車ないか聞きまわったら
親せきに昨年亡くなった爺さんの車が車庫に寝とるとのこと
ダダで貸して頂けることとあいなり
車を取りに関西へ向かうところからの始まりです。
名付けて『僕の細道』、僕の俳名は松尾無精(笑)
勝手に送りつけておいて申し訳ないが
独りよがりの駄文に付き合わされたうえ
例によって間違いなく途中でグダグダになって
いったい何なんだか訳が分からないまま終了こととなるでしょう
先に謝っておきます。
まぁ、よっぽど閑じゃなきゃ無理して読む価値はないわな
本当に東北へ向かうかも疑問である(笑)
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