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連載小説「六連星(むつらぼし)」第41話 ~45話

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連載小説「六連星(むつらぼし)」第41話 
「あの日の石巻」

 「工業団地用に、奥松島の丘陵地が大規模に開発されました。
 それが、奥松島ひびき工業団地です。
 奥松島インターチェンジまで、500mという好条件の立地です。
 さあこれから売り出しと言うときに、3・11の震災が発生しました。
 整備の終った販売用の敷地を利用して、被災した人たちのための仮設住宅が、
 大規模に建てられることになりました。
 原爆病の患者さんは、そこに入居されています。
 その方が、金髪君が探している、伯父さんだといいですね」

 このときになり、ようやく響が、自分たちがまだ自己紹介を
していないことに気がつく。
「あら。自己紹介をすっかり忘れていました!。申し訳ありません」
苦笑した響が、あらためて自己紹介をはじめる。
金髪の英治も、ここまでやってきた理由を、しどろもどろ状態で説明する。

 「あらまぁ・・・・新婚さんかと思ったら、実は訳ありのお2人さんですか。
 仲がとてもよろしいので、すでにご夫婦かと勘違いをいたしました。
 ずいぶんと律儀で、なおかつ健康的なご関係のようですね、・・・・うっふふ。
 ごめんなさい。こちらこそ失礼をいたしました。
 お嬢さんと同じ名前のひびき工業団地は、ここから30キロと少しです。
 では、甘いものなどを頂いたら、その仮設住宅まで3人でまいりましょう。
 ですが私の運転は、とても下手です。
 それでもよければこれから私の車で、そこまで行きしょう」