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連載小説「六連星(むつらぼし)」第26話~30話

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連載小説「六連星(むつらぼし)」第26話
「執念深い男の、暴力沙汰」

 その日の深夜。12時を過ぎようとしている繁華街、仲町の街角に、
響の帰りを待っている、金髪の英治の姿が有った。
営業を終えた「クラブ・雅」の裏口から、女の子たちが出てくる。
先頭の一人が、街灯の下に立っている英治の姿に気がつく。
嬉しそうに、急ぎ足で駆け寄っていく。

 「誰かと思ったら、珍しいわね。英治クンじゃないの。
 でも・・どうやらその反応ぶりから見るとお目当ては、私じゃ無くて、
 別に居そうだわねぇ・・・・あははは。
 でもさあ。この寒いのにそんなに薄着でどうするの。風邪をひいちゃうわよ。
 そこで温まっていこうか?
 響もおいで。みんなもおいで。
 そこでラーメンを食べてから帰ろうよ。ほら行くよ、英治クンも」


 逃げる隙もなく英治が、女に腕をつかまれてしまう。
女は英治の腕をつかんだまま、あっというまに回れ右をする。
露地を一つ曲がった先にある、ラーメンの屋台に向かって大股で歩きはじめる。


 「岡本の総長は、どうしてるの?
 いくら電話しても、生返事ばかりで、ちっとも顔を出さないわ。
 福島で、あたらしい女でも見つけたのかしら・・・・
 いい加減にしないと私も本気で浮気しますと、伝えておいて頂戴な」


 英治の腕をとり、元気に先頭を歩いて行くこの女性は、岡本氏の愛人だ。
妻子持ちと知りながら、任侠道の岡本氏と恋仲になった仲町の、
美人ママさんだ。
響の就職を、二つ返事で引き受けたのも、実はこのママだ。
いたって世話好きで、誰にでも好かれる、快活な姐ご肌の顔を持っている。