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悠里17歳

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10 東京へ


 
 私とサラと晴乃は大阪駅のバスターミナルで東京行きのバスを待つ。兄と予定が合うようなので、私たちはそれぞれ自分の楽器を持って深夜バスに乗り一同東京へ行くことを決めた。相手方もそうだけど、私は剣道の試合、晴乃は模試を控えているなど本来ならもっとすべきことがあるはずなのだが、お母さん、兄始めギミックの三人の

   「やるんやったらトコトンまでやれ。やらずの後悔は一生モノだ」

という言葉を支えに、今出来ることをしようと思う。意外に協力的な人が私たちの回りに多くいるのは恵まれている。
「追い込まれた時の方が効率よく出来るんだって。それにシフトするようになるから」
と言うサラだけは能天気だ。
 夜の大阪、ゴールデンウィークの最中だけに賑わっているけど、この時間帯は完全に大人の街になっていて個人的には一人で行動するのはちょっと怖い。私たち大人でも子供でもない年頃の人間はあまり来るべきところではないと肌で感じる。実際に三人一組で歩いていても何人かの男の人に声をかけられた。そういった状況でサラは終始日本語がわからないふりをして上手くかわしていた。
「この方法使ったらナンパされても相手にされへんよ」
と教えてくれるけど、私はそんなすぐに英語モードに変わらないし、和風少女の晴乃には到底無理な方法である。矛盾した話ではあるけれど、マイペースな彼女がいることで私たちは上手く前に進んでいるので助かっている感はとてもある。

作品名:悠里17歳 作家名:八馬八朔