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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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13―5 【執】

 【執】、左部の「幸」の古い形は、両手にはめる手かせ。右部の「丸」の古い形は、両手を差し出している形だとか。
 これで罪人をとらえる意味らしい。
 そして、「執着」、「固執」、「執念」などの熟語を作る。

 いずれも手かせをはめられた罪人のように、囚(とら)われの身となる。
 この意味合いを、英語ではフェティシスト「fetishist」と言う。いわゆる『フェチ』だ。
 世間では足フェチに胸フェチ、そして太っちょフェチ……、いろいろなフェチがあるようだ。

 で、あなたは何フェチ?
 我が悪友、高見沢一郎の場合は、不埒(ふらち)にも――『え』付きフェチ。
 この場を借りて、高見沢のフェチを彼の言葉で紹介させてもらえば、

 (一) えくぼ
      ぺこりと凹んだえくぼ、めっちゃ可愛いんだよなあ

 (二) えりあし
      乱れた後れ毛が……、そんな襟足、ぞくぞくっとするよ

 (三) えら
      ちょっと張り気味の角張り女性
      なにかそこに引っ掛かってみたい、そう思いませんか?

 さらに、高見沢曰く。極上大吟醸の「え」付きがある。
 それは……京言葉の語尾の『え』。これで囁かれたら、イチコロ!
     どないしゃーはたん え
     もっときばらな あかん え
     あて あんさんを 好いとるん え
                       などなど
 悪友の高見沢一郎は、この『え』に――【執】。
 しっかり手かせ足かせをはめられてしまっているようだ。