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漢字一文字の旅  紫式部市民文化特別賞受賞作品

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1―6 【湯】

 【湯】、それはかって、町の銭湯ののれんに大きく書かれてあった。
 それをくぐり、番台でお金を払い、脱衣所へ。そして引き戸を引き、ワンワンと声が響く浴場へと入る。
 すると、そこには美保の松原の絶景があった。
 時代の流れとともに、そんな町の銭湯は衰退し、【湯】という字を目にすることが少なくなった。

 しかし、たまに目にした時、不思議にほんわかとした気分になってくる。
 そして、日本人は風呂好きで、9割の人が38〜42度の湯を好む。
 だが、もう少し仔細(しさい)に分類すると、リラックスするためには38度と低めが良い。
 肩こり解消には41度らしい。
 朝起きてシャキッとするには42度が一番。

 それに比べ、お茶の温度は玉露が50度、煎茶は70度、そして番茶は熱湯と幅広い。
 そして同じ【湯】でも、焼酎お湯割り。絶対に60度と頑固一徹の輩(やから)がいる。
 また、燗酒が一番美味しいのは人肌。しかも温(ぬる)めの燗が良い。
 人肌であり、かつ温めって……、35度くらいのことだろうか? もし、(*^o^*)でもいて、確認できたら嬉しいのだが。

 そんな妄想に、今夜は42度のシャワーで――喝!